提督のBlackOps遍
捜索
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、俺ぁ悲しいぜ雲龍。涙がちょちょぎれそうだ」
「私達の提督は悪党ですが、ブラック提督ではありませんよ」
「おい」
辛辣な赤城の物言いにツッコミを入れるが、赤城はどこ吹く風だ。
「ブラック提督というのは、戦果に異常なまでの執着を示し、その為ならばどんか手段を講じても赦されるという偏った……いえ、歪んだ思想の提督の総称です」
「あ〜、昔は居たねぇ。それも結構な数が」
「捨て艦戦法とか、聞くだけで胸糞悪いっぽい」
「まぁ、今や我が国では艦娘にも人権が認められて、そういう扱いをすればいくら提督とは言え逮捕される時代だからな。恐ろしいぞぉ?ブラック提督の末路は」
「具体的にはどうされるんだ?」
「ん?魚雷に爆薬の代わりに詰め込まれる」
それを聞いて『うわぁ』となる一同。爆薬の無い魚雷など、整備不良の不発弾と同じだ。一度戦場に放たれれば回収などされる筈もない。島流しより酷い、確実な死刑宣告である。
「まぁ、そういう話は置いといてだ。巧妙に隠してブラック提督が暗躍してる可能性も確かにあるわな。資源地帯に取りに行くより、持ってる奴から奪う方が手っ取り早いだろうし」
「でもそれ、遠征中の部隊も資源を奪われない様に抵抗はするんじゃないの?そしたら海賊行為をしてる娘達も傷付くっぽい。寧ろマイナスな気がするっぽい」
「夕立ちゃんは優しいわねぇ」
思わず、といった具合に霧島が夕立を撫で回している。普通はそういう損得勘定が働くから、そういう行為は考えついてもやらないんだがな。それはあくまでも『普通の』話だ。
「夕立、ブラックな鎮守府運営をする奴が艦娘の損傷なんて気にすると思うか?」
「あっ」
そう、艦娘<戦果と考える輩なら駆逐艦なんぞ沈んだらまた建造すればいい、位にしか思っていないだろう。ブラック提督の運営する鎮守府が、略奪した方が黒字になるカラクリはそんな所だろう。
「うし、取り敢えずは情報の精査からだな。霧島、お前は大淀に頼んでブルネイ近海にある鎮守府のデータをありったけ出してもらえ」
「はい、すぐに」
「俺達はそのデータで怪しい動きのある鎮守府を徹底的に洗い出す。実際に動くのはその後ださぁて、面倒くせぇが仕事に掛かろう」
捜索チームの面々は、無言で敬礼を返した。
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