ラプラス
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
敵わない剣の実力を持つ者。
「……っ!」
それは、頭上から姿を現した。
千鳥を蹴り弾き、そのまま可奈美へ拳を振るう人物。
可奈美は素手でそれを受け流し、手刀で反撃する。一方の襲ってきた敵は、卓越した技術でそれに対して反撃し、大きく引き離された。
「……っ!」
大きくジャンプし、境内に着地したその姿。
白く長い髪と、茶色の民族衣装。特異な衣装だが、その胸元にある紋章が目を引く。
その姿を見た可奈美は、思わずその名を呟いた。
「ソロ……!」
ソロ。
超古代文明、ムー大陸の血を引く最後の一人。
二か月前、年末の見滝原上空へ、古代の大陸が復活した。その時、巻き込まれ、またその大陸を悪用した者達と敵対した青年。
彼は静かに、コヒメを睨む。順に美炎、清香、そして可奈美を、その目に捉えた。
「そいつを……渡してもらおうか」
彼は明らかに、コヒメに対して言っている。
可奈美は千鳥を拾い上げながら首を振った。
「……どうして……ですか?」
だが、ソロがそれに応えることはない。
こちらに肯定の意思がないことを理解すると、彼は伸ばした手を下ろし、ポケットから黒と紫の機械を取り出した。
スマートフォンに比べて、厚く、液晶画面には今の時代でなければ作れないもの。先史の時代に作り上げられたスターキャリアーと呼ばれるアイテムということは、可奈美も知っていた。
そして。
「なら……力づくで奪うだけだ!」
「「「!」」」
可奈美が警戒を示すよりも先に、ソロの液晶が震える。
そして、中から飛び出してきた灰色の影。地表の影がそのまま空中に浮かび上がったような姿のそれ。両腕にあたる部分は、まるで刃のように尖っており、下半身は幽霊のように先細く、その先端部分には、目のような黄色のパーツがついている。
「ラプラス!」
ソロが、右手を挙げながら叫ぶ。すると、ラプラスと呼ばれた影の生物は、その体を収縮させながら、彼の右手に収まった。
「な、何あれ!?」
清香が口を防ぎながら叫ぶ。
だがソロは、構わずラプラスが変形した剣を構えた。
「はあっ!」
ソロが、そのままラプラスが変化した剣___ラプラスソードで襲い掛かる。
「美炎ちゃん! コヒメちゃんを連れて下がって!」
可奈美は千鳥を抜きながら叫ぶ。
美炎とコヒメが離れたと同時に、千鳥とラプラスソードが火花を散らした。
「……っ!」
千鳥を伝って、ソロの力が伝わってくる。
以前と変わらない、可奈美が知り得る物とは全く異なる部類の剣術。それは、あっという間に可奈美の剣技を越え、蹴り飛ばした。
「衛藤さん!」
そのままコヒメに接近しようとす
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ