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おぢばにおかえり
第六十六話 好き嫌いその二十四

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「絶対に素晴らしいおみちの人になられて」
「先輩がそう言える位の人で」
「嫌う理由がない筈なのよ」
「少なくとも今のあの人はですね」
「ええ、凄くね」
「先輩は過去は過去の人ですね」 
 ここでこんなことを言う阿波野君でした。
「終わったことは仕方ないっていう」
「そうだけれど」
「僕は過去は絶対で変わっても悪いことが悪質ですと」
「ずっと言うわよね」
「許さなくて」
「そうよね」
 阿波野君のそうしたところがわかってきました。
「本当にね」
「その人が変わってもですよ」
「その罪は消えないとか思ってるのね」
「もう絶対に」
「その考えはよくないわね」
 そのまま特撮のダークヒーローだと思いました。
「自分自身をよくない方向に持って行くわよ」
「そうした考えですよね」
「自分でわかってるならね」
 阿波野君に海を見ながら言いました。
「それならね」
「余計にですか」
「そうした考えも変えていってね」 
 癖性分をなおすことをです。
「いいわね」
「そうですよね」
「随分時間がかかると思うけれど」
 阿波野君の性格を考えるとです。
「それでもね」
「そうしないと前に進めないでしょうか」
「そうかもね」
 否定しませんでした、むしろ肯定しようかしらと思ったところをオブラートに包んでこう返しました。
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