暁 〜小説投稿サイト〜
未来を見据える写輪の瞳
四話
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視力の驚異的な向上、それに加え並はずれた洞察力により相手の筋肉の動きなどから未来予知レベルでの先読みが可能なのだ。
 カカシ連撃にあえて僅かな隙間を作りだし、再不斬の反撃を誘導。そして、その動きを写輪眼で完全に読み切りカウンターでクナイによる突きを放ったのだ。

 「さあ、再不斬。終わりにしよう」

 再不斬の腹部に突き刺さるクナイをわざと肉を抉るようにして引き抜き、再び構える。再不斬も首切り包丁を構えるものの、そこにあるのは怒気だけで覇気はない。傍から見ても、この勝負の結末は見えていた。

 「くったれがあ……ぁ?」

 迫りくるカカシ。その速度に対応できぬこと悟ったのか、再不斬は吠えた。最も、首に突き刺さった千本のせいで、何とも情けない尻すぼみになってしまったが。

 「これは……」

 「どうも、ごくろうさまです」

 警戒を解かぬまま再不斬へと歩み寄ろうとしたカカシの前に、仮面をつけた少年と思わしき人物が降り立つ。少年の風体を見て、カカシはおおよその事情を察した。

 「君は追い忍だな?」

 「ええ。僕はずっと彼を追っていました。しかし中々手ごわく、どうしたものかと困っていたところだったのですが……」

 「そこへ、俺達が来たわけね」

 「そうです。申し訳ありませんが、貴方がたを利用させていただきました」

 「いんや、構わないよ」

 忍びともなれば時には敵をも活用する。それはカカシとて承知のうえだ。別に、再不斬の首を狙っていたわけでもないため、カカシの態度は非常にあっけらかんとしたものだった。

 「……それでは、僕はもう行きます。何せ、色々秘密も多い体なもので」

 追い忍の少年は再不斬の体を担ぎあげその場から立ち去る。周囲に気配は無く、ようやく安心できる。そう思ったからだろうか。何時の間にかカカシの視界には青空が広がっていた。少し遠くからはナルト達が自分を心配する声が聞こえてくる。

 「またやっちゃったか」

 写輪眼の酷使による大量のスタミナとチャクラの消耗。こればっかりはどうしようもないことだ。とりあえず、カカシは部下に運んでもらわなければならないだろう自分に、若干のふがいなさを感じるのだった。





 「と、言うわけでお前達に修行を授ける」

 「いや、意味わかんねーってば」

 再不斬との戦いから一日。まだ誰も起き出さない様な朝方に、カカシは下忍三人を蹴り起こして森を訪れていた。何故、突如こんな事を始めたかと言うと暇潰し……などではなく。来るべき戦いに備えてのことだった。

 「いやー、それがな。この間の再不斬だけど、たぶん生きてる」

 「「「……なにぃー!!」」」

 三人の絶叫にまいったねこりゃ、と頭に手をやるカカシだ
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