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ドリトル先生と幸せになる犬
第九幕その十二

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「餓鬼のそれがね」
「ううん、怖いね」
「そうなるって思うと」
「僕達も注意しないと」
「餓鬼なんかになりたくないわ」
「絶対に」
「僕もそう思うよ。キリスト教で言うと」
 その餓鬼達はというのです。
「地獄で苦しんでいる亡者かな」
「氷や火で苦しめられている」
「そうした人達だね」
「先生が読んでいる本でもあるね」
「そうだね」
「神曲という本に詳しいよ」
 先生はこの本の名前も出しました。
「地獄のことはね」
「ダンテの神曲だったね」
「確かそう言ってたね、先生も」
「地獄と煉獄、天国について書かれていて」
「とても面白いんだったね」
「地獄の描写が特に凄くて」
 それでというのです。
「面白いんだ」
「それでなんだ」
「餓鬼はキリスト教で言うと亡者なんだ」
「地獄にいる」
「それもかなり深いところにいるね」
「うん、ダンテの神曲を読むと」
 この作品をというのだ。
「亡者、地獄で裁きを受けている人達の中にはね」
「そんな人達もいるんだね」
「餓鬼みたいな人達が」
「キリスト教の世界にもいるんだね」
「元々餓鬼はピシャーチャといってね」
 先生は餓鬼についてさらにお話しました。
「インドの妖怪だったんだ」
「そのピシャーチャもだね」
「餓えていて痩せていて」
「それでいつも苦しんでいる」
「そうなんだね」
「それが仏教に入ってね」 
 そうしてというのだ。
「餓鬼になったんだ、夜叉や羅刹と同じだよ」
「夜叉も仏教だね」
「そして羅刹もね」
「どちらも仏様にもなってるけれど」
「元々はインドの妖怪だね」
「夜叉はヤクシャ、羅刹はラークシャサといったんだ」 
 それぞれのインドでの名前もお話しました。
「やっぱり仏教に入ったんだ」
「仏教はインドからはじまったしね」
「それでそうなるね」
「妖怪も」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「そうなっているんだ」
「成程ね」
「そうなっているんだね」
「そして餓鬼もその中にあって」
「元はインドの妖怪なんだね」
「そうだよ、そして人はあまりにも酷い性格や行いだと」
 それならというのです。
「餓鬼になるんだ」
「地獄に落ちるよりも辛い」
「そんな風になるんだね」
「絶対にそうはなりたくないね」
「全くだね」
 皆も思いました。
「そしてふわりの前の飼い主の人達も」
「果たしてどうなるから」
「そろそろはっきりするんだね」
「そうだと思うよ」
 先生はその皆にお話しました、そして実際にその時が来るのでした。
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