暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その十一
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夫ですか?」

 はっと気づくと楓の心配そうな表情が目の前にあった。

「ああ、大丈夫だ。ちょっとボーっとしてたみたいだ」

「おいおい、ボケるにはまだ早いだろ」

 お前が言うな、とツッコミを入れたかったが、“念話”による会話は楓には聞かれたくないようなので我慢する。

「楓、夕食の準備しなくてもいいのか?」

「あ、そうですね」

 そう言って楓は柳哉から荷物を受け取ろうとするが、柳哉はキッチンまで運ぶようだ。

『すぐに部屋に戻りな』

『……分かった。でも何でだ?』

『これから楓に“あの時”の事を聞くんだが、お前がいたら話し辛くなるだろう?』

 それより、と続ける。

『準備はできてるのか?』

『ああ』

『なら稟は俺がいいと言うまで部屋で待機。まあ予習でもやってろ』

『トイレとか行きたくなったらどうすればいいんだ?』

『我慢しろ。そんなに時間は掛からないだろうからな』

 そこで“念話”は切れた。しょうがない、と思って稟は部屋に戻ろうとするが、そこでそのことに気づく。

「器用な奴だな……」

 柳哉が稟と“念話”を交わしながら、同時に楓とも会話を交わしていた事に。


          *     *     *     *     *     *


「楓、少し話があるんだが」

「何でしょうか?」

 買ってきた食材をシンクの上に並べて、いざ調理に取り掛かろうとしていた所へ柳哉が話しかけてきた。

「……」

「?」

 少しの逡巡の後、柳哉は口を開いた。

「ある程度の所までは聞いているんだがな……八年前のあの事件の後の事だ」

「!!」

 楓の顔に驚愕が浮かび、続いて苦しげな表情へ変わる。

(まあ、当然だろうな)

 柳哉の予想が正しければ、それは楓にとっては拭い難い罪の証なのだから。

「どうして……でしょうか?」

 その事を証明するかのように震える声で問う楓に、柳哉は言葉を発した。

光陽町(こっち)に帰ってきてから、正確には楓と再会してからかな、お前に対してどうも奇妙な感情を抱いている自分がいるんだ」

 恋愛感情ではない、ということは断言できる。しかし、

「意味不明な感情ってのはどうにも気持ち悪くてな、もしかしたらその事が関係してるんじゃないかと思ってな。まあ、ただの勘だが」

 そう言って苦笑する柳哉。

「勘……ですか?」

「ああ。そして困った事に、この手の勘は外れた(ためし)が無い」

 なので話してもらえないか、と言う柳哉。しかし、楓は沈黙している。

(流石に無理があったか?)

 だが、本来の目的を話す訳にはいかない。“対処
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