らしくない
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みを浮かべる彼を見て額から汗が止めどなく流れ出る。先ほどまでの静かな雰囲気から一転したオーラを纏った姿を見て、彼はただ黙することしかできない。
「別に従いたくないなら好きにしてくれ。ただ、何かあった時はそれ相応の罰を与えるだけだ」
「相応の罰とは・・・」
何をされるのかはすぐにわかった。かつての自分たちのリーダーが歯向かった際に起きた悲劇が脳裏をよぎる。
「私が直接指示を出してきます」
嫌な汗が止まらない。恐怖に震えながらも懸命に彼はその部屋から飛び出すと、一目散に走り去っていった。
「やれやれ・・・これだから人間は・・・」
大きなタメ息をついて目を閉じる。その瞼の裏に映るのは果たして何なのか・・・それは彼のみしか知ることはできない。
シリルside
タッタッタッタッ
先頭のユウキさんたちに案内してもらいながら地下通路を駆けていく俺たち。しばらく進むと別れ道が現れる。
「よし。じゃあここで別れるよ。あとは時間が来たら全員予定通りに動いて」
「「「「「了解!!」」」」」
連絡を取る手段が生憎だがなかったため、時間を決めて対応するしかなかった今回の作戦。そのため、時間に遅れないように・・・ただし、早く着きすぎて相手に逆に奇襲を仕掛けられないようにとペースを調整しなければならない。そのため、ペースメーカーとしてジェリー、ミハエル、ウェンディをリーダーにしたグループ。そしてもっとも重要なグループは俺とユウキさんをリーダーに据えていた計4グループになっている。
「シリル!!」
「ん?」
自分の進むルートを行こうとしたところでウェンディに呼び止められる。その彼女の表情は明らかに硬い。
「・・・無理しないでね」
「え?うん。大丈夫だよ」
何か迷ったような間があったけど、今は時間がない。俺はそれだけ答えてすぐに先を行くユウキさんたちを追いかける。
「大丈夫だよね・・・シリル」
彼女のボソッと呟いた声は聞こえたが、その内容まではわからなかった。俺はそのまま、振り返ることもせずに現国王がいる城へと向かっていくのであった。
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