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渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十二 潜入
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あの時のオレと同じだと思うなよ、眉無しヤロー」
「その呼び名やめろ。どう見ても眉毛あるだろーが」


気にしてたのか…と笑いを堪えるカカシを斬りたくなった再不斬だった。



















ピチョン…ピチョン…と水の音がする。

まるで水族館のような空間。
根のように管が張り巡らされたその先には、水槽がぽつん、と佇んでいる。

ただ水だけが溜まっているように見える水槽を見上げ、鬼灯水月は感慨深げに眼を細めた。


「永かった…」


木ノ葉の暗部養成部門【根】。
その本拠地である地下の中でも、奥の奥。

秘密裡に保管されていた水槽を────否、その中にいる存在をやっと見つけて、水月は眼を輝かせる。

木ノ葉隠れの里に連行された再不斬の水筒に潜んでいた為、水量から子どもの姿である水月は、自身よりも遥かに大きい水槽を見つめる。
其処に映る幼き自身ではなく、透かし見るように水の中へ語りかけた。


「やっと会えたね…──兄さん」




鬼灯満月。
彼こそが今回、再不斬がわざわざ木ノ葉隠れの里へ連行された理由だった。

水月の兄である満月は元々、忍び刀七人衆の刀全てを使いこなせ、実際に何本かその刀を持っていた。
しかし忍刀目当ての【根】により満月は【根】に捕らわれてしまう。

忍刀を収集するにあたり、ついでに捕らえたというものだったが、満月自身が水月と同じく水化の術という稀有な能力を持つ上、『鬼人の再来』と称されるほどだったため、その能力を惜しいと考えたダンゾウによって今まで殺されずに済んだのだ。

もっともサイの兄のシンによく似ている満月を利用することで、サイを従順にさせようというのがダンゾウの狙いだったが。


今でこそ大蛇丸のアジトで本物のシンと出会って真実を知ったサイだが、それまではずっと満月を自身の兄だと思い込み、兄と会えることを褒美に、ダンゾウが与える任務に精を出してきたのである。
それほどシンにどことなく似ている満月だが、自分の兄がダンゾウに体よく利用されていたとは知らない水月は改めて、水槽の中を覗き込んだ。


忍刀を継承することを夢見て日々、過酷な任務を送り、全ての七刀を使いこなせるようになったのに、志半ばで【根】に囚われの身となっていた片割れに涙する。
実際、ただでさえ、この地下で囚われの身となっていた兄の相貌を更に利用されていた事実を知れば、水月は更に怒りを募らせていただろう。



「今、其処から出してあげるよ」


水槽を壊そうと水月が拳を握る。
みるみるうちにその腕が子どもらしからぬ筋肉隆々な太い腕へと化した。
腕を振り上げる。





「何者だ!?」
「其
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