五十二 潜入
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能面がパカリ、と口を開く。
雷遁の化け物と合体した角都。
彼の肩の面から、バチバチ、と雷撃が解き放たれる。
「────死ねぇッ」
絶体絶命の危機を前に、再不斬は欠伸を噛み締めながら肩を竦めた。
「たんに俺の出番はもう必要ないかと思ったんでね」
「────【風遁・螺旋丸】!」
「────【水遁・破奔流】!」
刹那、カカシ達の前に二つの影が躍り出る。
お互いの術を合わせる合体忍術が、お面と合体している角都の攻撃を相殺した。
「「【颶風水渦の術】!!」」
水遁により水流が螺旋状に巻き込まれる。
螺旋丸の回転に巻き込まれた大量の水が、角都をも巻き込もうと襲い掛かった。
それを回避して、角都は術によって発生した水蒸気の中、眼を細める。
自身の術を相殺したらしき複合忍術の影響で、立ち込める水蒸気。
それが晴れゆくうちに、眩いばかりの金髪が角都の目に映る。
その金色に、角都は思わず眼を見開いた。
「待たせたな…遅くなってすまないってばよ」
金髪のツインテールが揺れる。
既にボロボロの姿で現れた波風ナルを見て、いのは心配そうに顔を顰めた。
けれどそれ以上に頼もしくなった幼馴染の背中に、掛ける言葉が見当たらない。
一方のカカシは修行中よりずっと成長したナルを眩しげに見やった。
ヤマトの隣で、ナルは周囲を見渡す。
【颶風水渦の術】により角都の拘束から逃れることが出来たカカシ・いの・チョウジと這わせていた目線は、桃地再不斬のところでピタリ、と止まった。
けれど、それよりも気にかかる点をカカシに訊ねる。
「……シカマルは?」
「もうひとりの敵と別の場所で応戦中だ」
開口一番にシカマルのことを問うたナルに、カカシは端的に答えた。
そしてそのまま「シカマル側にも二人ほど向かってほしい」と増援を促す。
この場には、再不斬・カカシ・いの・チョウジ、そしてヤマトとナルがいる。
対してシカマルはたったひとりで暁のひとり…それも不死者と戦っている。
戦力を分断して彼の応援に向かわせねば、シカマルひとりだと荷が重すぎる。
カカシの言葉に頷いたナルが「いのとチョウジ、行ってくれってばよ」と猪鹿蝶で連携がもっともよく取れる二人へ視線を投げた。
「でもナル…」
「シカマルが強いって、オレってばよく知ってる」
本当はナルが一番、シカマルのことを心配している。
開口一番に彼のことを訊ねたことからも、シカマルを助けに行きたいのはナル本人だろうと窺えて、いのは口ごもる。
しかしナルは、いのの発言を遮って背中を向けた。
角都に向き合う。
「だからこそオレはコイツをさっさと
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