五十二 潜入
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「よせ…!近づくなッ」
当初、【心転身の術】で飛段を操ったものの、角都の容赦ない攻撃で、いのは気を失った。
シカマルの指示で、気絶したいのを起こしに向かったチョウジが運悪く、この状況で加勢しに此方へ向かってくる。
チョウジから、再不斬が味方だと聞いて半信半疑で駆けてきたいのが、角都の変わり様に、ぎょっとして立ち止まった。
「気が変わった。此処でまとめて蹴散らしてくれる」
再不斬は別だが、木ノ葉の忍びが集結した状況に、角都はニタリと笑みを深める。
刹那、地中から数多の触手がチョウジといのの身体に巻き付いた。
「チョウジ!いの!」
彼らに気を取られたカカシも、隙を突かれて触手に身体を巻き付かれる。
いつの間にか、【禁術・地怨虞】の餌食になっていた自身に、カカシはギリ…と歯噛みした。
地中に秘かに潜り込ませていた繊維状触手で拘束した角都が眼を細める。
一網打尽にする気だと即座に悟ったカカシが傍らの再不斬に鋭く叫んだ。
「再不斬!」
首切り包丁で自らを縛る縛めを斬ってもらおうという意味合いの込めた視線を投げる。
だが再不斬は動かない。
身じろぎできないカカシ・チョウジ・いのを見ても、肩を竦めるだけで何もしない鬼人に、角都が軽く片眉を上げた。
「どうした鬼人?大人しく換金所へ向かう気になったか。ならばまず死体になってもらおう」
「再不斬!何してる!?」
チョウジといのに気を取られたカカシと違って、角都の触手を首切り包丁で跳ね除けた再不斬は自由の身にもかかわらず、面倒くさそうに欠伸を漏らした。
形勢逆転されたこの場で、唯一動ける再不斬が角都に対して何もしないことに、いのとチョウジの顔から血の気が引く。
頼みの綱であるカカシが動けないのに、戦力となる再不斬が今になって裏切るのでは、と青褪めた二人の横で、カカシは眉を顰めた。
賞金首である再不斬には多額の懸賞金が懸けられている。
その遺体は高値で売れることから、角都としてはあまり傷をつけずに殺したい所存だ。
このまま大人しくしてくれるなら、楽に殺してやろうと角都がほくそ笑む一方、触手に捕まっているカカシ達はその拘束から逃れようと躍起になっていた。
ふと、再不斬がカカシに横目をやる。
その意味深な視線を受け、次いで近づいてきた気配に気づくと、カカシはハッ、と顔を上げた。
「こいつらと一緒に心中でもする気か?」
カカシ・いの・チョウジを拘束した【禁術・地怨虞】の触手が諦めきれずに再不斬を狙う。
それを振り払った再不斬は、角都の問いを鼻で嗤った。
「うんにゃ。寝言は寝て言えよ」
「死ねば寝言も言えんだろうさ」
角都の触手に絡まった
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