第七十三話 王子の帰還
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ここは港よ」
「あ! マクシィ兄さんにお別れを言わないと!」
ティファニアはシャジャルから降りて辺りを見渡した。
「残念、殿下はもう行かれたわ」
「そんな、さよならも言ってなかったのに! お母様どうして起こしてくれなかったの!?」
「ごめんねティファニア。でも、きっとまた合えるわ」
ポロポロと涙を流すティファニアに、シャジャルはあやすようにに抱きしめた。
暫くの間、シャジャルの胸の中で泣いたティファニアは一つ目標を見つける。
「わたし決めたわ。大きくなったらハルケギニアに戻るの、そしてマクシィ兄さんのお嫁様になる!」
「え!? ティファニア、殿下はもうご結婚されていますよ?」
ティファニアの子供らしい夢に、シャジャルはマクシミリアンが既婚であることを告げる。
「ええっ!?」
とたんに表情が暗くなるティファニアに、シャジャルは一言フォローを加えた。
「でも、ひょっとしたら、一番になれなくても二番目のお嫁様にしてくれるかも……」
「本当!?」
「ティファニアが素敵なレディになれば、殿下も考えて下さるわ」
「うん、わたし頑張る!」
(ティファニアはまだ小さいから、成長して多くの人と交流を持てば殿下への恋心も忘れる事でしょう)
シャジャルにとっては、愛娘を悲しませない為の嘘だったが、ティファニアは本気で初恋を実らせるつもりだった。
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