第三百三十三話 除夜の鐘その十二
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「愛していたんだ」
「毎日飲む位に」
「そうだったしね」
「お寺でも飲んでいて」
「昔も何だかんだでね」
「そして今もなのね」
「ましてこれは振る舞いだから」
無料のそれでだ。
「いいんだよ」
「私達が飲んでも」
「そう、般若湯だからね」
「そういうことね」
「何か中国の本でも」
水滸伝だ。
「道教の道士さんも飲んでるよ」
「あちらもお酒駄目よね」
「お肉もね、だからお肉は基本食べないけれど」
それでもだ。
「お酒は精進酒って言って」
「飲んでたのね」
「どう違うかっていうと」
「同じね」
「般若湯と大体ね」
その実はだ。
「変わらないよ」
「精進酒も」
「お酒はお酒だからね」
このことは変わらなくてだ。
「それでね」
「道教でも飲んでるのね」
「そうなんだ、維新になってね」
「それまでこっそりとだったのがなのね」
「公に認められたんだ」
「かえってよかったのかしら」
「そうかもね、そうしたことを禁じても」
肉食妻帯それにお酒をだ。
「要は信仰を守って学問に励む」
「それが大事よね」
「一番ね、今のお坊さんも勉強されてるよ」
八条学園のお寺の住職さんもだ。
「それに寒い人にあったまってもらうって」
「いいことよね」
「これこそ功徳だよ」
お酒を振舞ってだ、般若湯を。
「こんないいことはないよ」
「甘酒だけじゃなくて」
「そう思うよ、だから僕達もね」
「飲めばいいのね」
「酔い潰れない位にね」
香織さんに笑って話した。
「飲もうね」
「それじゃあね」
「それとね」
僕は香織さんに笑ってさらに話した。
「お塩もあるから」
「おつまみ?」
「そう、そちらも振舞ってくれるよ」
「清めのお塩は神道よね」
「そうだけれどやっぱり清めだし」
それでだ。
「煩悩を祓うね」
「鐘の音と一緒に」
「そう、それでね」
「お塩を舐めてもいいのね」
「肴でね」
「やっぱり飲むなら」
香織さんも言った。
「肴は必要よね」
「どうしてもそうだね」
「若しないと」
肴つまりおつまみがだ。
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