第二章
[8]前話
「手術しなくても是非引き取りたいっていう人もいるから」
「大きくなったらなのね」
「元々うちに保護された子から生まれたけれど」
それでもというのだ。
「お母さんも他の子も同じ人が引き取ってくれるから」
「それでなのね」
「この子もその人がね」
「引き取ってくれるのね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「この子もね」
「幸せになれるのね」
「そうなるわ」
こう言うのだった、元気よく動き回るソーンを一緒に見ながら。
スワティーはこの二つの話を自分のSNSで話した、すると。
話を聞いたペンシルバニア州ピッツバーグのある家に招待された、すると。
そこには一匹の黒猫がいたがその猫もだった。
「この子も」
「そうなの」
一家の母親が話した、傍らには母親そっくりの娘がいる。
「うちの娘がヒーロー好きでバットマンって名付けたけれど」
「この子もなのね」
「ええ、雄よ」
見ればこの猫もだった。
耳が四つある、やはり大きな本来の耳があって小さく明らかに機能していないと思われる耳が一対ずつある。
その猫を紹介してだ、一家の母親はスワティーに話した。
「やっぱり身体の何処かが多かったり少なかったりすると」
「変に思う人がいるわね」
「世の中にはね、けれどね」
「私別に何とも思わないわ」
娘が言ってきた。
「だってバットマンは耳があってもなくても恰好いいから」
「多くてもなのね」
「うん、いつも気取って歩いてしっかりとしていて」
そうした風でというのだ。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「本当にバットマンみたいだから」
このヒーローの様だからだというのだ。
「それでね」
「いいのね」
「うん、バットマン大好きよ」
こうスワティーに言うのだった。
「耳だけじゃなくて若し身体の何処かがなくても」
「バットマンはバットマンね」
「だから一緒にいるよ、これからもね」
「私もこの娘の言葉を聞いて頷いたわ」
母親がまたスワティーに話した。
「身体の何処かがなくてもね」
「バットマンはバットマンで」
「猫は猫よ」
「そうね、身体はどうでもね」
「そんなの関係ないわね」
「猫は猫で」
「他の生きものもね」
当然そこには人間も入っている。
「同じね」
「その通りね」
笑顔で話した、そしてだった。
サワディーは家に帰るとデリーそれにサティーと一緒に遊んでいるアスランを彼等と一緒に散歩に連れて行った、この時もアスランはアスランだった。明るく元気がよく人間好きな猫だった。
四つの耳を持つ猫 完
2021・9・26
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