第二章
[8]前話
「もうすっかりね」
「エイヴァと仲良くなったのね」
「もうあの娘がお母さんみたいよ」
エイヴァがというのだ。
「そうなってるわ」
「それは何よりね」
「本当にね」
「あの子見付けた時はね」
マリアはこの時のことを話した、そして。
二人でコーヒーを飲みながら話しているリビングにいる茶色の雄のマスチフ犬と白い毛でとこどころ黒い模様あがり時に右耳から右目の部分がそうなっている雌の猫を見て話した。
「ジョージがいるから」
「それでよね」
「この子凄く優しいから」
そのマスチフ犬を見て話した。
「だからね」
「ウェンディみたいにね」
「ええ、この娘みたいに」
その猫を見て話した、今度は。
「優しくしてもらってね」
「懐くと思ったのね」
「けれどね」
「ワンワン」
「ニャンニャン」
ジョージとウェンディを見つつ話した。
「この子達だけじゃないから、うちは」
「子供が五人いたらね」
「皆まだ子供だから」
それでというのだ。
「やっぱりね」
「これ以上は無理ね」
「お金はあっても」
この心配はないがというのだ。
「それでもね」
「人手がね」
「絶対にあの子まで手が回らなかったから」
アディを拾ってもというのだ。
「お願いしたけれど」
「安心してね」
「幸せだから」
「そうなったから」
「そうね、しかしね」
マリアは二匹を見ながら話した。
「ジョージは雄だけれど」
「そうよね、優しいわね」
「凄くね」
「だからよね」
「ええ、ウェンディもね」
二匹で楽しく話している彼等を見つつ話した。
「懐いてね」
「幸せになれたわね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「優しいから」
「ジョージがね」
「若しジョージが優しくなかったら」
その時はというのだ。
「ウェンディもどうなったか」
「大きな犬に嫌われたらね」
「子猫なんてね」
それこそというのだ。
「ひとたまりもないわ」
「そうよね」
「けれど」
「ええ、うちも貴女の方もね」
「そんな子じゃないから」
ジョージを見つつ話した、寝転がってウェンディをその腹に置いて優しい目を向けているその彼を。
「よかったわね」
「そうよね」
「どうなるかわからない子も」
そんな子猫もというのだ。
「優しい家族に出会えて迎えられたら」
「幸せになるわね」
「そうね、じゃあこれからお互いにね」
「あの子達が幸せにいられる様にしましょう」
こう約束もした、そして二人はそれぞれ新たな家族となった猫達を大事にしていった。心優しい犬と共に。
子猫を包む優しさ 完
2021・9・26
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