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子猫を包む優しさ
第一章
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               小猫を包む優しさ
 アメリカアリゾナ州フェニックスでのことだ。
 ユダヤ系の中年女性マリア=シーン長く黒い髪で青い目でやた太った外見の彼女は自宅の庭を掃除している時にだ。
 そこで一匹の子猫を見付けた、その子猫は。
「ニャ〜〜」
「あら、この子だけかしら」 
 見ればその頭の左右が濃いグレーで下が白い雄猫だった、母猫を探したが見当たらなかった。それでだ。
 シーンは夫と二人暮らしで子供が五人いて犬と猫ももういて人手が一杯なので子猫の世話が出来ないと思ってだった。
 友人で生きものを保護する施設を創設して活動しているシェルビー=ウイェイハラ小柄で赤髪でグレーの目の痩せた中年女性の彼女に事情を話した、すると。
「わかったわ」
「その子引き取ってくれるの」
「貴女のお家だとね」
「飼いたくてもね」
「もう人手が足りないわよね」
「もう犬も猫もいてね」
「子供が五人もいたらね」 
 それならというのだ。
「それじゃあね」
「だから貴女にお願いしたいけれど」
「わかったわ、その子を引き取らせてもらうわ」
 シェルビーは快諾した、そして。
 その猫を引き取って診察を受けさせると獣医に言われた。
「生後一ヶ月位ですが」
「そうですか」
「ですが随分痩せて小さいですね」
「野良猫だからですね」
「親とはぐれたんでしょうか」
 それでというのだ。
「そのせいで、身体も冷えていて蚤だらけで」
「それで、ですか」
「治療に時間がかかりますがいいですか」
「お願いします」
 一も二もなかった、シェルビーは獣医に答えて診察をしてもらった。
 そしてだ、体調が戻り蚤もいなくなって家に迎えられた、すると。
 家の犬である雌の白い大きな垂れ耳の犬エイヴァに迎えられた。
「ワン」
「ニャ?」
「大丈夫よ」
 シェルビーはエイヴァを見て驚く子猫、アディと名付けられた彼に笑顔で話した。
「物凄くいい娘だから」
「ニャア」
「だからね」
 それでというのだ。
「安心していいわ、見なさい」
「ニャア〜〜」
「ナア〜〜」
「ウニャン」
「ニャンニャン」
 白猫、三毛猫、黒猫、ダークグレーの猫達が来た。四匹共子猫だが。
 猫達はエイヴァに懐いている、シェルビーはその彼等を見つつ話した。
「白い子はメグで雌、三毛の子はアンで雌、黒の子はジョーンで雄、ダークグレーの子は雄でキムっていうのよ」
「ニャン?」
「皆いつもエイヴァに優しくしてもらって仲良しなのよ」
「そうだよ」
 黒髪の男の子も言ってきた、シェルビーの息子のチャーリーである。目の色と顔立ちは母のもので髪の毛は父で外で働いてる彼のものだ。
「だから安心していいよ」
「ニャ?」
「僕も何もしないしね」
「こ
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