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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第99話:衣替え
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レナが目を覚ました。彼女は消耗しているだろう体で、それでも気力で体を起き上がらせた。アルドが言うには彼女に掛けられていた呪いも解呪されている様だが、失われた体力が戻るには時間が掛かる筈。当然と言うべきか、体を起き上がらせるだけでかなりの体力を使ったのか顔色が悪い。
「お、お願い、ガルド君……私も、連れて行って」
「なっ!?」
しかしそれでもセレナは、ガルドに同行を希望した。フロンティアにはまだマリアが居る。そのマリアの傍で、例え戦えずとも赴き支えたいと思っていたのだ。
言うまでも無くそれは危険な事であり、ガルド以上にセレナの体を気遣ったアルドが却下した。
「いけません。ただでさえ長い間呪いに苛まれていたのです。これ以上の無茶など――」
「無茶は承知の上です! でも! 姉さんを1人残して、放っておくなんてことできません!!…………う、うぅ――」
「セレナ!? あまり無茶をするな」
嘆願しただけで眩暈がしたのか、唐突に脱力しベッドから落ちそうになったセレナをガルドが支えた。
やはり今の彼女が動くのは無理がある。そう思ったアルドがセレナを説き伏せようとした。
その前にウィズが動き、彼女に魔法を掛けた。
〈リカバリー、ナーウ〉
「ッ!? ウィズ!?」
「ウィズ、何故です!?」
「この光……暖かい……」
癒しの魔法がセレナの消耗された体力を取り戻させ、彼女の血色が良くなっていく。それはつまり、セレナが多少の無茶をする事が出来るようになったと言う事に他ならなかった。
今のセレナを、癒したとしても行動させる事にアルドは当然ながら抗議した。
「ウィズ!? 幾ら何でもそれは危険です!?」
「かもしれん。だがこういう輩は力尽くで束縛しようと、何かを仕出かすものだ。それで無茶されて状態や状況を悪化されてはそれこそ本末転倒だろう。なら、望むままにさせてやって方が良い」
それに、とウィズが言葉を続けた。
「お前が彼女を守ってやればいいだろう。その為に力を付けたんだ。よもや出来ないなどとは言うまい?」
「そ、それは、勿論!」
「なら問題はないな」
それで話は終わりだと、ウィズは踵を返し医務室を出て行った。アルドが慌ててその後に続き、後にはガルドとセレナの2人だけが残される。
「…………本当に良いんだな?」
「うん! もう戦えないけど、それでも姉さんを助けたい!」
「分かった……行くぞ!」
自分からベッドから降り、ガルドの傍に立つ。ガルドは傍に来た彼女の体を軽く抱き寄せると、右手をハンドオーサーに翳した。
〈テレポート、プリーズ〉
2人は一瞬でその場から転移した。
目指すは、今正に心折れかけているだろうマリアの傍だった。
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