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最期の祈り(Fate/Zero)
衛宮切嗣という男
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かつて愛した女性を忘れられないというのが、一番の理由なのだが。
話を戻そう。今回切嗣のミッションは誰にも見付からず、「部屋」に行くこと。それを果たす上で、切嗣の魔術はうってつけだった。
……時間にして30秒。果たして切嗣は無事「部屋」の中で息を整えていた。今回切嗣が魔術を使ったのには幾つか理由がある。その一つが、これ。ストレステストである。今の切嗣がどれ程、魔術の行使に耐えられるかという実験だった。結論からいうと……
「問題ない……?」
(どういうことだ?肉体に掛かる修正力が殆ど働いていない……)
結果は予想の斜め上を行った。未だ、詳しい事は、実際に確かめなければ解らないが、体感としては、恐らく3倍速までなら肉体の損傷を伴わず行けるだろう。
(まぁいい。理由は解らないが僕には好都合だし、今日1日の成果としては十分だ)
そこまで考えると、切嗣は部屋の鍵をしめ、着替えもせずにベッドに倒れ込んだ。
(とは、言っても……流石に疲れ)
そして彼は、眠りに墜ちた。
故に彼は、気付かない。部屋の件で、一夏の頭にたん瘤が出来たことを。
そして、彼は気付かない。ハンバーガーを食べている時の彼の写真が1枚1000円から販売されていることを……
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