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最期の祈り(Fate/Zero)
衛宮切嗣という男
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確か、一番新しい記憶だと……
「昨日の昼か」
「え、衛宮!?冗談はよせ!流石に倒れるぞ」
はは。道理で体が軽いわけだ。最近忙しくて忘れてたな。
「と、とりあえず食堂に行くぞ!」
そして半ば引き摺られるように食堂にむかった。




衛宮切嗣の好物、と言えば何が思い浮かぶだろうか。まず、愛妻の手料理、士郎の料理。この辺りは想像に難くない。しかし、それ以外だと?まかり間違っても、贅を凝らした宮廷料理は上位に上がらない。答えは、

「切嗣って、ハンバーガーとかジャンクフードの類が好きなのか?」
「うん。割りと濃い味付けのものが好きかな」
そう言いながら切嗣はハンバーガーをほうばっている。食べているのは、何の奇もてらっていない普通のハンバーガーだが、心なしか嬉しそうに食べる切嗣と合わさって酷く美味しそうに見えた。
因みに、そんな彼を見ていた女子数十名がハンバーガーに殺到していた。
中には
「ガハっ……これが、ギャップ萌えか……」
と鼻血を出している方達もちらほら……
「……席、良いか?」
自分も箸をつけようとしていた一夏へ、後ろから声がかかった。
「箒か。いいぜ、隣こいよ」
「済まないな。近くに空いている席が無くてな」
そう言うと、切嗣にとっては初対面となる女の子が親しげに、一夏の隣に腰を降ろした。
ふと、切嗣は彼女の発言が気になった。試しに、辺りを見回してみると……
「うゎ……」
思わず声が洩れてしまった。周囲が女子で埋められていた。ここが女子校の寮だと言ってしまえばそれまでだが、この光景は異常だった。具体的には、半径10m以内の席が圧倒的な人口密度を誇っており(5人用のテーブルを10にんでry)、そこを出ると急に閑散としている。気にしたとたん、急に気が滅入ってきた。
「切嗣。紹介するぜ。こいつは篠ノ之 箒。俺の幼なじみだ」
まぁ、気付かなければそれまでで、幸か不幸か一夏はその事実を認識してない。
「篠ノ之 箒だ。私の事は箒と呼んでくれ、衛宮」
「そうか。僕は衛宮切嗣。上でも下でも好きな方で構わないよ」
そう言いおわると切嗣は徐に立ち上がった。
「僕はこの辺りで失礼するよ。疲れたのかな、少し眠気がするんだ」
「おう、またな。」
そう言い残すと逃げるように切嗣は食堂を後にした。






「Time alter-double accel! 」
食堂を出た瞬間、切嗣は倍速化の呪文を唱えた。食堂を出る間際、何人かの女子生徒が此方についてくるのを確認した。そこからの決断は早かった。逃げよう。今ならまだ、間に合う!別に、彼は女の子が嫌いなわけではない。だが、実年齢35に加え、何年もの病魔との闘いにより、切嗣からそういった気は殆ど消え去っていた。故に、下手に言い寄られると困るという事情があった。まぁ、最も
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