第三百八十四話
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第三百八十四話 父と弟の言葉
母は美樹に普段のポニーテールもいいと言った、それで美樹は母に自分の席に着いてからあらためて言った、メニューはご飯と卵焼きと味噌汁と梅干である。
「おろしてもいいのね」
「それで今もね」
「どっちもいいの」
「だって美樹奇麗だから」
それでというのだ。
「それでどっちもね」
「似合うの」
「そうよ」
「そうなの?お父さんはどう思うの?」
「どっちでもいいんじゃないか?」
父はすぐに答えた。
「別に」
「どっちでもなの」
「ああ、お父さんもどっちでも似合うと思うしな」
おろしてもポニーテールでもというのだ。
「だからな」
「お父さんもどっちもなのね」
「いいのね」
「そう思う」
「僕はポニーテールの方がいいかな」
弟は自分から言ってきた。
「そっちの方がね」
「あんたはそう思うの」
「うん、僕ポニーテール好きだから」
だからだというのだ。
「そっちの方がね」
「いいのね」
「そうだよ」
「そうなのね、あんたがいいっていうなら」
美樹はポニーテールでいいかと思った、だが母がここでまた言ってきた。
「おろしても似合ってるわよ」
「昨日の夜言った通りに」
「そうよ」
「どっちも似合うの」
「美樹奇麗だからね」
笑顔での言葉だった。
「そうよ」
「私奇麗かしら」
「お母さんが見るとそうよ」
「贔屓じゃないの?」
「違うわよ、だからね」
それでというのだ。
「どっちもしていったら?」
「今はそう言うの」
「あらためてポニーテール見たらいいからね」
「そう言うのね」
「そうなのよ」
こう娘に話した、美樹はその話を聞きながら朝ご飯を食べた。母が作ってくれたそれはどれも美味しかった。
第三百八十四話 完
2021・7・8
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