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ドリトル先生と幸せになる犬
第九幕その一

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 先生はこの時大学のご自身の研究室で論文を書いていました、今度の論文は一体どういったものかといいますと。
「ああ、今度は犬なんだ」
「犬の進化についてなのね」
「そのことについて書いているんだ」
「うん、犬もね」
 この生きものもというのです。
「面白い進化を遂げてきたね」
「僕も犬だけれど」 
 ジップが言ってきました。
「色々な種類がいるからね」
「狼が家畜になってよね」 
 ポリネシアがこのことを言いました。
「犬になったのよね」
「そして色々な種類の犬が出て来て」
 そしてとです、チーチーは言いました。
「かなりのものになっているね」
「一口に犬といっても」
「本当に多いわね」
 チープサイドの家族も言います。
「一体どれだけいるか」
「わからない位だよ」
「その進化について今書いているんだね、先生は」
 老馬も言いました。
「それってかなりのものになるね」
「かなりというか」
 ダブダブは思いました。
「どれだけ大きな論文になるか」
「ちょっとわからないわね」 
 ガブガブは首を捻りました。
「一体」
「先生は研究も執筆も早いけれど」
「それでも何時終わるかな」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「一体何ページになるか」
「見当もつかないよ」
「それでも書くのが先生だけれど」
 ホワイティは先生の学究精神の素晴らしさから述べました。
「それでも書ききれるかな」
「応援させてもらうけれどね」
 トートーは先生が論文を書ききれるか不安になっています。
「脱稿出来るかな」
「いや、進化といってもね」 
 それでもとです、先生は皆に微笑んでお話しました。
「ブルドッグのことだよ」
「ブルドッグ?」
「あの犬のことなんだ」
「ブルドッグの進化のことなんだ」
「そうだよ、流石に犬全体の進化となると」 
 それこそと言う先生でした。
「図鑑になるからね」
「そうした論文だね」
「あまりにもスケールが大きくて」
「それでだね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「僕も軽々しくはね」
「書けないね」
「犬全体の進化の論文については」
「とてもね」
「そうだね、だからね」
 それでというのです。
「僕としてもね」
「書かないんだ」
「犬全体の進化については」
「そうなんだ」
「うん、書くのはね」 
 それはといいますと。
「ブルドッグだよ、ブルドッグは闘牛用の犬だね」
「そうなんだよね」
「あの犬はね」
「闘牛のことを考えて」
「そしてあの外見になったね」
「そうだよ、牛の身体を噛むのにお口とお鼻の間が長いとね」
 それならというのです。
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