第三章
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「これはまた」
「センターの近くでエンドウマメ農家をされてますが」
「働きながらか」
「はい」
そしてというのだ。
「助けてくれています、皆ウォーターマンと呼んでいます」
「生きものに水を振舞って助けているからか」
「そうです」
「立派だな、ちょっとあの人と話していいか」
「是非そうされて下さい」
スタッフも是非と頷いてだった。
ハーグはブワルザのところに行って彼と話した、そこで彼に何故ここの生きものを助けているのかを尋ねた。すると彼はこうハーグに答えた。
「死にそうになってるからな」
「だからか」
「ああ、助けないと駄目だってな」
「そう思ってか」
「はじめてな」
そしてというのだ。
「そうしている」
「今もか、ただ金はな」
「かかったさ、けれど今はセンターが募金募ってくれて」
「金を用意してくれたか」
「トラックとかガソリンとか水のな、けれどな」
「それでもか」
「金は何とかなってたしそういう問題じゃないだろ」
ハーグに笑って話した。
「やっぱり」
「生きものの命がか」
「かかっているからな」
それでというのだ。
「やってるからな、だから金のことはな」
「大変でもか」
「今は助かって嬉しいけれどな」
「ここの生きものの命の方が大事か」
「そうさ、旱魃が終わるまでな」
「やってくんだな」
「そうするな」
こうハーグに話した、そしてだった。
彼と別れてヨハネスブルグに戻って同僚達にこのことを話すと彼等も喜んだ、そして彼はこう言った。
「旱魃でも出来ることをしないとな」
「そうだな」
「そうしないとな」
「これからな」
「俺達もあの象の子供を助けたし」
「ケニアにもそんな人がいるから」
「やっていってな」
その出来ることをというのだ。
「命を助けていきたいな」
「そうだな」
「じゃあ俺達もな」
「またあの子みたいな生きものがいたらな」
「助けていこうな」
「そうしていこうな」
仲間達にこう話した、今はヨハネスブルグは旱魃ではない。だがまたそれに襲われている地域に行けば自分達も出来ることをしようとも決意した。人としてそれが大事だと思って。
旱魃の中で 完
2021・9・25
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