163 失踪の呵責
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ちゃんに謝りませんでしたか?」
「一応謝りました。次の日に・・・、でも私も山田さんも今更謝っても遅いってその時は許しませんでした」
「『その時は』ですね・・・。今はどうしたいと思っていますか?」
「今は・・・。藤木君を・・・」
笹山は昔の事を思い出しながら涙がこぼれる。こぼれながらも答え続けようとする。
「許してあげたいです・・・」
フローレンスは笹山の思い出し泣きを見てある事をしてあげたいと考えた。
「・・・そうですか。今、『私がいます世界』では山田かよ子ちゃん達が藤木茂君の救出に向かっています。今、『私がいます世界』では『敵対します世界』と戦っています。今、私は日本各地で選ばれし者達に頼みまして『私がいます世界』に招き入れまして戦ってくれています。貴女の学校でも幾人かその異世界へ向かっています事はお気づきになっていますでしょう?貴女の近所に住みます徳林奏子ちゃんもその一人です」
「はい・・・」
(今、お姉さんや山田さん達は戦って動いてくれている・・・。藤木君を取り返す為に動いてくれている・・・)
笹山は近所に住む女子高生が戦っている。そして自分のクラスメイト達も戦っている。なのに自分は無力だ。そのままただ皆が帰ってくるのを待ち続ける事しかできていない。それでいいのか。
「私が招聘しました人は皆何かしらの能力を宿します人。ですが、厳しい事を言いまして申し訳ございませんが、笹山かず子ちゃんにはその能力を持っていませんね。しかし、藤木茂君が戻ってきて欲しいとそれでも願いますならば・・・」
笹山は改めて顔を上げた。
「私は貴女を私が住む『平和を正義とします世界』にお連れ致しましょう。藤木茂君を連れ戻しにですね」
「私が、行っていいんですか?」
笹山は自分も行っていいのかと思い、半信半疑になった。
「はい、急な話で驚かれましたか?」
「は、はい・・・」
「今すぐ来なさいとは言いません。行きますか行きませんかは貴女のご判断次第でお任せしております。私達の方もできます限りの事は手をお貸ししますが、危険な冒険になります事は確かです。それでも藤木茂君に戻ってきて欲しいと願いますならば私はお連れ致します。それでは・・・」
フローレンスは笹山にある物を差し出した。それはボールペンのような白い物だった。
「私はこれで失礼致します。時間を与えますので決意が決まりましたらこの道具の上の蓋を押してください。いつでも私は参ります。それでは」
フローレンスはその場で姿を消した。
「あの人は一体・・・?」
笹山は天使のような人物にどこかしらの不思議さを感じた。そしてフローレンスから渡された道具を確認する。
(行くか、行かないか・・・)
笹山は改めて考え直す。自身もまた、欠席しているクラスメイト達や近所の女子高生が
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