第二章
雪ノ下雪乃は自分をごまかさない。ちなみに俺はなんもしない。
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自分に嘘をつかず、周りをごまかさず、正直に、うざいほど正しく、そんな無駄なことを頑張って損をしている。比企谷もそうだ、自分をごまかさない。現実を知ってる。
でも嘘をつく俺もそれは同じだ。現実を知ってる。
現実を知っているからこそ嘘はつくし、他人をごまかすし...。いや、そもそも俺はごまかす必要はないけど。
とにかく雪ノ下は損をしている。自分に嘘をつかず生きてみたって現実が変わるか?変わらねぇよ。呆れるほど何も変わらない。友達がいなくなるだけ。
同じく友達がいない俺は何もしてない。何もしなくていい。だらだら生きて、あっさり死ぬ。そんなぐだぐだな人生でいい。
雪ノ下は俺とは真逆の人間だ。友達にはなれないだろう。それに友達はいらない。てか、できるはずがない。俺の退屈な人生には不必要だ。
雪ノ下が言ったが完璧な人間はこの世に存在しない。人は誰しもどこかに欠陥があるものだ。それは俺も雪ノ下も比企谷も同じ。
完璧も、正しさも、努力も、成功も、そう他人とのコミュニケーションだって人間が求める限り何の意味も持たない。
それが現実だ。理解なんてしてほしくないし、してもらう気もない。
だが、雪ノ下は自分に合わない現実を変えようとしている。たかが70年のために...。
現実を捨ててる俺は嘘をついても何も変わらない。
雪ノ下だってそうだ、もし嘘をついたって特になにも変わらない。
結局、俺達はみんな、何も変えることができない。だから雪ノ下に話しかけても何かが起こるわけでもない。だから何も言わず帰ろう。
比企谷も「友達になって」みたいなことを言ってすぐ断られたことだし。
そして俺は教室を出た。
× × ×
いつもと同じ景色、同じ道。
特に何も変わってない。それでいい。
いつから現実というものを相手にしなくなったのだろう。そんな疑問すらどうでもいい。
そんなどうでもいい俺をつまらない人間だとか、社会のごみだのクズだのというやつがいる。それがリア充だ。
別につまらない人間でいい。だって現実がつまらないし、退屈で、それに面倒だから。
何もかも俺とは関係ないものだ。だからリア充が言うことも関係ない。だけどリア充は嫌いだ。
あの人生を楽しんでる!青春を謳歌してる!みたいなのが気に入らない。どうでもいいけど後で地獄を見ろ。
...それにしても今日は疲れた。いや、昨日も疲れたけど...。こんな日はちょっと前まではなかった。
俺も少しは変わったって事なのかな。どうでもいいし、なんでもいい。
俺は別に自分の考えが正しいとは思ってない。というかそんなんどうだっていい。早く帰ろう。
そうだ、今日はいつもと同じ速度で帰ろう。明日も明
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