第二章
雪ノ下雪乃は自分をごまかさない。ちなみに俺はなんもしない。
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。わかってるよ、間違いなく呆れてるよね。俺が病原菌でした。
これじゃベンザ効かないよね。早く俺が消えないと...。
俺はそーっと教室の端に移動してあげた。すると雪ノ下の質問には比企谷が答えることになって、俺は面倒くさい思いをしなくてすむけど別に「話を聞いてるのも疲れたなぁ」とか思って逃げたんじゃない。ホント、ホント。
俺はただ純粋に雪ノ下の頭痛を直してあげようと思っただけ。
「仮の話として、答えてくれればいいわ」
「殺す」
もちろん答えたのは俺じゃない。比企谷だ。...って殺すのかよ! 平塚先生言ってたよね刑事罰に問われるような真似は絶対にしないって! 自己保身の心得とか投げうってんじゃん! 超ハイリスクローリターンじゃん!
しかも即答!
...え、俺はどうするのかって? いや殺したりしないよ? もちろん冗談でも言わない。ちょっとすれ違いざまに肩パーンってするだけ。
比企谷の即答に満足したのか、雪ノ下はうんうんと頷いた。
「ほら、排除しようとするじゃない?理性のない獣と同じ、いえそれこそ禽獣にも劣る...。私がいた学校もそういう人たちが多くいたわ。そういった行為でしか自身の存在意義を確かめられないあわれな人たちだったのでしょうけど」
雪ノ下ははっと鼻で笑った。
哀れな人たち、ねぇ...。俺にはその程度で自分の存在意義を確かめられるのだったら、まだ軽症だと思う。つーか普通。俺にもなると存在意義とかないし、猫のトイレの臭いだし!
ただ雪ノ下を排除?しようとした奴等が正しいとは思わない。俺には自分の答えがない...。
比企谷や雪ノ下は自分の考えとか、答えを持ってる。でもそれが俺にはない。
だから存在意義も糞も友達もないのだ。
「小学生のころ、六十回ほど上履きを隠されたことがあるのだけれど、うち五十回は同級生の女子にやられたわ」
「あとの十回が気になるな」
「ああ、それは俺も気になった」
あと十回...。その女子以外にどんなのがいるんだ?まぁ、男子ぐらいしかいないだろうけど。
「男子が隠したのが三回。教師が買いとったのが二回。犬に隠されたのが五回よ」
「犬率たけぇよ」
「ああ、それは俺たちの想像を超えてた。でも俺は教師が買いとったっていうのも気になったな」
ホント何で上履きなんかを...。もっと別のものがあっただろう...。
「ええ、おかげで私は毎日上履きを持って帰ったし、リコーダーも持って帰るはめになったわ」
「人から好かれるのも、嫌われるのも結構大変なんだな...」
人から好かれたことも、特に嫌われて酷い目にあったこともない俺だから同情はできませんが。
一方、比企谷は雪ノ下に同情して俯いていた...。
身に覚えでもあったのだろうか?...いや、比
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