第二章
雪ノ下雪乃は自分をごまかさない。ちなみに俺はなんもしない。
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らないわよ、きっと」
心なしか頬を膨らませているように見える雪ノ下はそっぽを向いた。
...わからないわよ、キットカット。うん、なんのことだか全然わかんない。そもそも雪ノ下の心には何があるのか...、俺は知らない。知りたくもない。けど帰りたい。
...そういえば小学生の頃、親にだか誰にだか忘れたけど遭難した時のためにチョコを持ってくと良いって教わって、別に山とかに行くわけでもないのに大事そうに「KitKat」を自転車のかごにしまって近所の本屋まで行ったことがあったなぁ...。
バカだろ俺! 恥ずかしいわ! どうやって本屋で遭難すんだよ。誰でもいいから、もしもの時のために本屋でチョコを大事そうに抱えてた俺に教えろよ! まだ純粋な笑顔をうかべてチョコをいれた自転車をこいでた俺を突き飛ばせよ!
過去の自分の羞恥心のなさを思い出したのと同時に、自分にも少しはトラウマがあったことに小さく喜びをあらわにしていると比企谷が言った。
「まぁ、俺たちもお前の言い分はわからなくもないんだ。一人だって楽しい時間は過ごせるし、むしろ一人でいちゃいけないなんて価値観がもう気持ち悪い」
「あぁ、そうだな気持ち悪いな」
まぁ、もちろん俺もな。十分気持ち悪い表情をしているみたいだからな。平塚先生にキモがられたからな!
ちなみに一人でも楽しいことないけどな、俺!
...でも「歯がない」の新刊が出るとわりと嬉しい。ラノベの発売日を待つだけの人生...。たぶん今の俺の社会的存在価値、「猫のトイレから臭ってくるニオイ以下」とかになってる。前は否定したけど結局、俺臭いものじゃん!
早く人間になりた~い! ...ってか? 猫のトイレからするニオイから人間様に戻るとか自分で言ってて難だけど、どんだけハードルたけぇんだよ。どんな下克上だ!
そんなジョブチェンジ不可能だ!
...本当、妖怪人間から親身になって慰めてもらっちゃうレベル。ぐすっ(泣)。
「......」
雪ノ下は俺達のほうを一瞬だけ見て、すぐ顔を正面に戻して目をつむった。
...なにか考えてんのかな?...うん、まぁあれだ、
「わかる。わかるよ。好きで一人でいるのに勝手に憐れまくるのも面倒だよな」
そう。例えば、あの痛々しいロリババア巨乳。
「そうだな俺もわかる。こっちは好きでいるのにな」
比企谷も同意見のようだ。
「なぜあなた達程度と同類扱いされているのかしら...。非常に腹立たしいのだけれど」
うっわ~、怒ってる...。調子乗りすぎたか...。怖い、ホント怖い。
「まあ、あなた達と私では程度が違うけれど、好きで一人でいる、という部分には少なからず共感があるわ、ちょっと癪だけれど」
あれ? 意外なお返
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