第二章
雪ノ下雪乃は自分をごまかさない。ちなみに俺はなんもしない。
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「それにしても経験則、ねぇ...」
雪ノ下の容姿。まぁ本当にそれだけだが、容姿だけ見たら多少の色恋沙汰には縁があるのだろう。
一応納得はできる。性格悪すぎるけど...。
「それはそれは...随分と楽しい学校生活を送っていらっしゃるのでしょうな。なぁ、比企谷もそう思うよな?」
「桐山、それは当然だろ。...ホント、容姿端麗、完璧美少女の雪ノ下さんはさぞ楽しい学校生活を過ごしてらっしゃるんだろうなぁ」
比企谷がため息混じりに呟くとそれに雪ノ下がぴくっと反応する。
「え、ええ。そうね。端的に言って過不足のない実に平穏な学校生活を送ってきたわ」
そう言う雪ノ下はなぜか視線をあさっての方向に向けている。
そのせいで顎から首にかけてのなだらかなラインが綺麗とか死にたくなるほど無駄な知識が増えた。
...それにしても雪ノ下の様子が少しおかしい気がする。
「...あっ」
今さらながら気づいた。いや、実際はすでにわかってたことだけど。
この上から目線ナチュラル見下し女がまともな人間関係を構築するなんてできているはずがない。
...さすがは雪ノ下。ホント負けず嫌い。平穏な学校生活なんて嘘っぱちだ。
俺は確認のための質問を試みる。
「雪ノ下さん、友達いんの?」
俺が質問すると雪ノ下はふいっと視線を逸らした。
「...そうね、まずどこからどこまで友達なのか定義してもらっていいかしら」
「...」
...やはり。
「あ、もういいわ。そのセリフは友達いないやつのセリフだわ」
比企谷が言った。そう、これは友達いないやつのセリフだ。前に比企谷から聞いたことあった。
ちなみにソースは比企谷自身...。
「まぁ、雪ノ下さんに友達がいないことはなんとなくわかった」
ホントはなんとなくじゃねぇけど。この人絶対友達いないって。性格悪いし...。
「まだいないとは言っていないでしょう?それにもし仮にいないとしてもそれで何か不利益が生じるわけでわないわ」
「まぁ、そうだけどね。はいはい、わかったよー」
雪ノ下がじと目でこっちを見てきた。こっち見んな見つめ返すぞ!もちろん見つめ返すと言うのはラブコメ的なものではない。
...どうやら俺の目には見た者の気分を悪くさせる効果があるみたいだからな。ちなみに効果は平塚先生で確認済み。この目を向ければさすがの雪ノ下も気持ち悪くて見ていられるまい。...あれ? 俺なんで生きてるんだろ? 素朴な疑問。
俺の存在価値が「ランク 害虫以下」になったところで比企谷が口を開いた。
「っつーか、お前人に好かれるくせに友達いないとかどういうことだよ」
そう比企谷が言うと雪ノ下は不機嫌そうに視線をはずしてから口を開いた。
「...あなた達にはわか
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