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第四話 キリトの決意
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セイバーのステータスはすべて“E”。

話を聞くによるとサーヴァントも俺たちと同じように戦う事によって経験値を積み、そしてステータスを上げることができるらしい。

そして最後に言われた言葉、この言葉が今でも俺の中で響いている。

「果たして君がこの聖杯戦争…、生き残ることができるかは定かではない。だが、いかなる時代、いかなる歳月が流れようと、戦いをもって頂点を決するのは人の摂理。さあ君はその力をもって最強を証明したまえ」

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戦いをもって頂点を決するのは自然の摂理。

コトミネのその言葉が俺の胸の中で反響している。
現在俺はこのデスゲームで強くなるために必死で戦い続けている。
だがそれはあくまで自分が生き残るためである。決して人を殺そうとか力試しのためにレベルを上げているわけじゃない。

だがコトミネは言った。

戦え、殺し合え、最強を証明しろ。
それこそが人の自然の姿なのであると。

何故俺がこの聖杯戦争の参加者となってしまったのかは分からないまま。
けれど俺がこの殺し合いに否応なしに参加させられてしまったのは事実だ。

そう考えているうちに、目の前のオオカミが俺に向かって突進を仕掛けてきた。
考え事をしていた俺は、少し焦りながらもそれを受け流し、横腹に剣を突き刺す。
すると叫び声とともにオオカミはポリゴン状となって消えてしまった。
他のオオカミたちも同様に数に物を云わせて突っ込んでくる。
俺はそれに慌てず、冷静に対処しながら着実に数を減らしていった。

そして再び彼女を見ると、俺が一体倒すうちに彼女は三体ものオオカミを見えない剣で切りつけ、そして消滅させていた。

彼女とはこれまで何度も共に闘ってきた。なので今更驚くことはない。
なのだけれど、相変わらず彼女のスペックは明らかに俺達プレイヤーとはケタ違いであるとここに証明された。

三十分後、オオカミたちは全て駆逐され辺りには俺とセイバーしかいなくなった。

「マスター、考え事をしながら戦うのは危険です。あまり油断しないでください」

彼女はそう言うと構えていた剣を降ろした。

何らかの偉業を成し遂げたという存在、それこそが英霊。
だとすると、先ほどまで目の前にいた彼女も何か過去に偉業を成し遂げていたのか。
彼女も聖杯に何らかの願いを叶えるためにこの聖杯戦争に参加しているのだという。
彼女が叶えたい願いとは何なのか、それは俺には分からない。

だけど、

「俺は死なない。絶対にクリアして現実に帰ってみせる」

その言葉は、俺に背を向けている蒼いサーヴァントにも聞こえているであろう。


今俺が優先すべきことはこのゲームをクリアすること。

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