第六百三十一話 最後の最後はその一
[8]前話 [2]次話
最後の最後は
マチアは自分の腕時計で時間を確かめて言った。
「もうすぐ三時か」
「早いね、もうね」
マルコが応えた。
「三時なんだね」
「もうすぐ終わりだな」
マチアはここで自分の言葉に感慨を込めた。
「文化祭も」
「色々あったけれどね、今回も」
「その文化祭もな」
「もうすぐ終わりだね」
「ああ、そう思うとな」
実にと言うのだった。
「何かとな」
「思うところがあるね」
「ああ、だからな」
「それでだね」
「ここからあと少しな」
「頑張るんだね」
「そうしないと駄目だな」
こうマルコに話した。
「俺も」
「そうだね」
マルコもその通りだと頷いた。
「ここまできたら」
「それじゃあな」
「うん、ちゃんとね」
「最後まで頑張ろうな」
「そうしようね」
こうマチアに述べた。
「これから」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「このあと少しにな」
そうした時にこそというのだ。
「何かとあるよな」
「そうそう、あと少しで終わりって時にね」
「何かが起こるな」
「平穏には終わらないことあるよね」
「だからな」
それでというのだ。
「最後の最後までな」
「終わるまで」
「勝って兜のっていうだろ」
「緒を締めろだね」
「終わりが近付いてな」
そしてというのだ。
「もうすぐって時も」
「油断しないことだね」
「映画でもだよな」
マチアは笑って話した。
「特にホラー映画で」
「もうすぐ終わる時に」
「その時にな」
まさにというのだ。
「何かあるだろ」
「最後の最後にね」
「そこで死んだり死ななくてもな」
「最後の見せ場があるね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「最後の最後までな」
「気を抜かないことだね」
「死にはしないけれどな」
ホラー映画の様にというのだ、尚ホラー映画では最後の最後で死ぬ者は安心しきった者と相場が決まっていると言われている。
「それでもな」
「何があるかわからないね」
「だからな」
「終わるまで」
「気を抜かないで何があっても」
「対処することだね」
「そうしような」
こうマルコに話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ