第三百三十二話 大晦日のデートその十一
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「それでもね」
「そんなこと言わないわよね」
「色々問題のある人だったよ」
このことは事実だ。
「あれだけの異才はそういないけれど」
「それでもよね」
「あそこまで嫌われてる人もね」
それこそだ。
「そうそういなかったから」
「ワーグナーとどっちがなのよね」
「シューベルトは沢山の友達にいつも囲まれていたそうだけれど」
だらしない人だったけれどどうにも憎めなくて放っておけない人だったらしい。ただそれでも孤独だったとも書いてあった。
「この人達はね」
「敵に囲まれていたのね」
「そうだったんだ」
それで孤独だった、ただ信奉者の人達は多かった。
「残念なことに」
「そうだったのね」
「うん、けれどね」
「無茶なことは言わなかったのね」
「そうだったみたいだから」
どれだけ癇癪持ちでもだ。
「まだましだよ」
「そうなるわね」
「難しい人でも」
例えそうでもだ。
「人として大事なことは持っていたから」
「ちゃんと」
「だから自宅の周りの人には慕われて」
そうしてだ。
「敬愛されていたよ」
「そんな人だったのね」
「そんな除夜の鐘が五月蠅いとかね」
それこそだ。
「もう魔物かってね」
「煩悩を祓う音が嫌いとか」
「一年に一度のことが嫌とか」
「堪え性もなくて」
「あと自分だけだね」
「他の人達にとっては風情ね」
「それも理解してなくて」
そしてだ。
「自分さえよければいい」
「そんな人よね」
「そう思うよ、人間そうなったら」
僕が心から思うことだ。
「おしまいだよ」
「そう思っていいわね」
「クレーマーの中のクレーマーで」
そう言うしかないと思う。
「モンスタークレーマーにね」
「その域に達してるわね」
「そうした人が政治家になったら」
その時はだ。
「野党の女性議員の人達みたいになるだろうね」
「ああした人達ね」
「うん、自分には甘くて」
それも徹底的にだ。
「他の人にはね」
「厳しいのよね」
「そうだよね」
こちらも徹底的にだ。
「それでやるべきことをしないで」
「他の人の揚げ足取りばかりで」
「文句ばかり言うね」
「そうした人になるのね」
「子供達に言えるよ」
それこそだ。
「ああした大人になったら駄目だって」
「それは言えるわね」
「もうああなったらね」
「人間としてね」
「おしまいだから」
「ああなったらいけないわね」
「本当に不平不満は毒だよ」
自分の心にとってだ。
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