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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十二話 大晦日のデートその七

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「それだけ強いとね」
「やっぱり幸せが来るのね」
「コーランでもね」
 前向きなことでは聖典というよりか少年漫画それも熱血系のそれである様な展開が多いこの書でもだ。
「苦難があってもね」
「笑ってなのね」
「それに立ち向かって」
「それを乗り越えるのね」
「だからね」
 それでだ。
「どんな時でもね」
「笑えればいいのね」
「そうであったら」
 そうであったならだ」
「本当にね」
「強いのね」
「そう思うよ」
 心からだ。
「本当にね」
「無理しても笑う」
「苦しい時こそ胸を張れっていうけれど」
 さだまさしの歌でもある。
「そうであればね」
「苦難も乗り越えて」
「その先に進めるよ」
「そうよね」
「本当に文句ばかり言う人ってね」
 この人のことを思うとだ。
「全くね」
「笑わないって訳じゃないわよね」
「笑うことは笑うけれど」
 それでもだ。
「嫌な笑い方しかしないんだよね」
「嘲笑ったりとか人の不幸を楽しんだりとか」
「そうした時にしか笑わなくてね」
 それでだ。
「嫌な笑顔しか浮かべないんだよね、意味なく人を見下して悦に入っていたり」
「そうした時の笑い方はね」
「嫌だよね」  
「ええ」 
 香織さんにしてみてもだ。
「純粋に楽しい、よかった、有り難いって思っての笑いならいいけれど」
「満足していてね」
「人の不幸とかを笑うなら」
「それは物凄く嫌な笑いでね」
 悪意、それの笑顔だ。
「見るだけでも嫌よ」
「不平不満ばかり持ってると」
「自分の幸せになんか気付かないで」
 もうあれが嫌だのこれが駄目だの思ってばかりでだ。
「人の欠点ばかりあげつらってね」
「それで人の不幸とかあったら」
「それを笑うんだよ」
「そうなるのね」
「だから笑う時も」 
 そんな時もだ。
「人の不幸や失敗を見てね」
「駄目な人とか言って笑うのね」
「嘲笑うんだよ」
「そんな笑顔はね」
「笑う門にはといっても」 
 福来たると言ってもだ。
「もう不幸がね」
「舞い降りてくるわね」
「招き寄せてるよ」
 自分からだ。
「それでね」
「そうなってよね」
「もうね」
 それこそだ。
「さらに悪い風になってくよ」
「人にも嫌われるわね」
「悪意に満ちた笑顔って人間の相の中で一番醜いものじゃないかな」
 僕が思うにだ。
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