第一章
[2]次話
絶対に勝てない人
桜日向は茶色の長い髪の毛をセットしている、切れ長の二重の目は睫毛が長くやや面長で顎の先が尖った顔は白く鼻が高い。紅の唇は大きくてきりっとしている。
一六五程のスタイルは見事でモデルの様だ、八条大学芸術学部音楽科でフルートを吹いていてコンクールでも優勝しているが。
常にフルートを吹き勉強に励んでいた、その彼女を見て中学からの友人で今は同じ大学だが社会学部にいる木村天短い黒髪で頭の右上を髷にして大きな明るい目と小さな口を持つ一六〇位の背の彼女は言った。
「日向っていつも努力してるわね」
「だって努力してないとね」
日向はこう答えた。
「あの人に迫れないから」
「あの人?」
「早美早緒莉さんよ」
日向はこの名前を出した。
「あの人にね」
「誰、それ」
天はその名前を聞いて思わず聞き返した。
「フルートの人?」
「そう、この人なの」
日向は自分のスマートフォンを出した、そして。
ある動画を出したがその動画では。
日向以上のスタイルで見事な赤いドレスに身体を包んだ見事な長いセットした黒髪で楚々とした上品な大きな目で大きな口の女性がだった。
フルートを吹いていた、日向はその動画を見せて話した。
「この人がね」
「その早美早緒莉さんね」
「そうなの」
この人がというのだ。
「凄い演奏でしょ」
「いや、私音楽はね」
そこまではとだ、天は述べた。
「専門じゃないから」
「それでなの」
「ちょっとね」
「その出来まではなのね」
「どの曲かはわかるけれど」
それでもというのだ。
「そこまではね」
「そうなのね、それでもね」
演奏をしている者としてだ、日向は話した。
「私としてはね」
「凄いレベルだってなの」
「思ってね」
「今この人のこと言ってるの」
「それでね」
日向はさらに話した。
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