第一章
[2]次話
強気と根気
南崎壮馬はある会社で主任をしている、黒髪を短くしておりきりっとした顔立ちで眉は太い。背は一七四センチですらりとした身体がスーツによく似合っている。
部下はもう数人いるがそのうちの二人は女性でしかも侵入社員だ、一人は有田明香といい黒髪を長くしていて二つに束ねて下に下ろした童顔で一五五程の背である。もう一人は梨田音子といい波がかった長い茶色の髪であどけない優しい顔立ちである。背は一五九位で胸が大きい。
南崎はその二人について同期で別の課で主任をしている相手に昼食の時に話した。
「二人共タイプが全然違うんだよ」
「そんなにか」
「ああ、有田君は強気でどんどんいくんだよ」
まずは明香のことを話した。
「攻めるタイプでな」
「仕事でもか」
「ああ、それで梨田君はな」
続いて音子のことを話した。
「根気よくやるんだ」
「守るタイプか」
「ああ、慎重に仕事をしてな」
そうしてというのだ。
「一緒にしている相手がいて相手がミスしたらな」
「相手を庇うんだな」
「絶対にな」
「それでもう一人の娘はか」
「自分に非があったら認めるけれどな」
それでもというのだ。
「相手がミスしてもな」
「庇わないか」
「ああ、二人共新入社員でも頑張ってるけれどな」
「タイプは違うんだな」
「そうだよ、これがな」
ざるそばを食べつつ話した、同期はせいろを食べている。二人で蕎麦屋に入ってそれぞれが注文したものを食べながら話している。
「どっちもな」
「じゃあやってもらう仕事も考えるか」
「有田君は強気だからね」
「イケイケドンドンなか」
「そうした仕事でな、それで梨田君はな」
彼女はというと。
「慎重な」
「そうした仕事をか」
「してもらう様にするか」
「さもないとな」
それこそというのだ。
「しくじるからな、あと組ませる相手もな」
「一緒にか」
「この二人は仲いいけれどやっぱりな」
「いつも二人でとはいかないよな」
「相性が今一でな、課どころか部全体でも部長や課長とも話してな」
仕事のうえでもというのだ。
「考えるからな」
「それでか」
「組ませる相手もな」
「考えていくか」
「俺の部下の中でもな」
同期と蕎麦屋でこうした話をした、そして実際にだ。
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