荒魂ファントム
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あげた。
「これはすごい! 体が軽い! これなら、いくらでも絶望させられそうだ!」
「させない……!」
『ウォーター プリーズ』
トパーズのウィザードは、サファイアへ。魔力に秀でるウィザードは、即座に水のウィザード専用魔法を発動させる。
『リキッド プリーズ』
それは、体の液体化の魔法。物理能力に秀でたバハムートに有効と判断しての魔法だった。
予測通り、バハムートの攻撃はすり抜け、逆に水のウィザードの攻撃が追い詰めていく。だが、水のウィザードは魔力に秀でる代わりに力が小さい。いくら斬撃を与えても、バハムートが怯む様子はなかった。
「なるほどな……体を変質させたのか。確かにこれなら、俺は一切手出しできない。この時点で、さっきまでの俺では勝てなかっただろうな……」
「……?」
だんだんバハムートにダメージが蓄積されていく。やがて、体を大きくのけ反らせていった。
「だが……甘い!」
バハムートの無数の目が発光する。
すると、液体という名の盾を貫通し、マグマのような熱風がウィザードを貫いた。
「ぐあっ!」
液体の魔法を解除させた威力のそれ。
バハムートの体、その荒魂らしい体の部位が発光した。
不気味なほど赤いその光が、見るだけでウィザードの体を痛めつけていく。
さらに、その両手から紅蓮の球体が発生する。
バハムートというファントムの性質とは明らかに違うそれは、ウィザードの足元を破砕、大きく吹き飛ばされる。
「まさか……ウォーターがアンタみたいなタイプに追い詰められるなんて……」
「ハルトさん!」
ウィザードに代わり、復帰した可奈美がバハムートへ挑む。
だが、彼女の素早い剣撃も、バハムートは見抜く。卓越した動きで、目で追えない可奈美の攻撃を必要最低限の動きでガードしていた。
「嘘ッ!?」
「無駄無駄ァ!」
さらに、バハムートの肉弾戦。動きを封じられると、千鳥という長物を持つ可奈美の方が不利になった。
バハムートの連続パンチ。一つ一つを捌くことができたのは序盤だけ。
やがて、どんどん加速していくバハムートの攻撃は、可奈美でさえも耐えられなくなり、やがて写シの霊体の体にめり込んでいく。
「うわっ!」
可奈美が、悲鳴とともにウィザードの隣に吹き飛ばされていく。アスファルトを転がる彼女だが、痛みを気にせずにバハムートを見つめている。
「荒魂……いや、ノロを体に入れた状態……! つまり、実質S装備や親衛隊と同じ……?」
「可奈美ちゃん!」
「ッ!?」
さらに、バハムートは可奈美の首を締め上げる。
「さあ……お前をどうすれば絶望してくれる? それとも、いっそのことプチっとやってし
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