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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
京都-じごく-
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てきたものだ。ぽっと出の胡散臭い集団に任せるほど…俺達は落ちぶれちゃいない。」
「…ほう。」

きっぱりと、そう言った。
彼とて頭領のマスター。
覚悟は決まっているだろうし、それに母の擁護があったとはいえこの平和な都が出来るまではそれなりの修羅場をくぐり抜けてきただろう。

「マスターはそう申しています。というより、これが京都の総意と受け取りすぐにでもお帰り頂けると助かるのですが。」

そういい、彼の隣に立っている頼光が刀を抜く。

銃を構えるも、後退りする葛城財団。
そうして思い通りにいかず、明らかに不機嫌な顔をしたスーツの男はわざとらしく大きめなため息をついてこう言った。

「そうですか。私達もここでドンパチやろうと思うほど低脳では無いので。」

と、あくまで自分たちの方が上ということを繕いつつ、踵を返して退散して言った。
ここで暴れればサーヴァント達に袋叩きにされる。
頭の悪い葛城財団でもそれくらいは理解出来たのだろう。

「ふぅ…。」
「全く…このような時に…。」

妖の襲撃により勿論町は無事ではない。
これから復旧作業もあるし、怪我人の救出。そして、死んでいった者達の供養。
やるべきことは山積みであるし、それに結界がないので今まで以上に厳重に見張りをせねばならない。

そんなときだ。

「頼光様。少し、お耳に入れておきたい事が。」
「なんです?」

また別の守護隊の男がやってくる。
彼は頼光に耳打ちすると…

「鬼が…?」
「はい…今回の事件、我々の領域は妖による襲撃を受けましたが…鬼の領域は全くなく、犠牲者はゼロとのこと。」

男が報告したのは俺達が先日踏み入れかけた"鬼の領域"だ。

こちらは被害甚大。そして向こうは何も無く無事。
蘆屋道満と森川真誉の傷は…鬼のものとすれば説明が着く。
つまり今回の事件の首謀者は…。


頼光の顔は怒りに満ち溢れていた…というわけでもない。
それとも悲しみに明け暮れた顔、でもない。
眉をひそめ、もう、そうなることを分かっていたかのような…。

「やはり…そうなのですね。」

やっぱりか。
というような顔。

「前々から怪しいと思ってはいましたが、向こうから宣戦布告して下さるなんて。これで京からあの虫共を追い払える立派な口実が出来たというもの。」

震えている握り拳。
そう、鬼だ。
心の底から恨んでいるあの鬼。
鬼共が、約束を破り、人の領域を踏み荒らして蹂躙した。
つまりこれは、"喧嘩を売られた"ということだ。
けど、

「待って欲しい。」
「…?」

ここで俺は、待ったをかけた。

「なに用でしょうか?旅の方。」
「証拠は出揃っていない。まだ犯人を鬼と決めつけるのは早いんじゃ
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