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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
京都-じごく-
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「…!」

ふと、目が覚めた。
何か不穏な気配を察知して飛び起きると、壁に寄りかかって眠っていた武蔵もちょうど目を開けたところだった。

「…。」
「…。」

互いにアイコンタクトを交わし、何も言うことなく武器を手に取り窓から外へと飛び出す。
そうして、目に見えた景色は…

「!!」
「なんだこれは…!」

あちこちから火の手があがり、人々の悲鳴が響き渡る。
日の出ている頃に見かけたあの平和な都とは一転。
そこはまるで世界崩壊直後の地獄のような有り様となっていた。

「おい!何があった!!」

武器を手に通りがかった守護隊の1人を呼び止め、何があったか尋ねる。すると、

「道満様の結界が破られた!妖が一斉に押し寄せてきたんだ!!」
「なんだって…!」

そうしていると、どこからともなく小鬼が群れをなしてやってくる。
こちらと目が合うなり、下卑た笑みを浮かべ奇声を上げながら襲ってきた。

「最悪な目覚めね…!」
「ああ。」

怯える守護隊を下がらせ、俺達は前に出る。
棍棒を持っており数は多いが相手は小鬼。
知性がない分財団を相手にするよりかはずっとマシだ。

「大和くん!まだいる!!」

飛びかかり、自分から死ににやってくる小鬼を相手にするのは簡単だった。
そうして瞬時に斬り伏せたものの、また別の方向からうじゃうじゃと小鬼が湧いてくる。
さらに、ズシンズシンと地響きを立ててやって来たのは、彼らのリーダーであろう牛の頭をした大鬼。

「雑魚は俺が蹴散らす。武蔵はでかいのを斬れ!」
「うん!じゃあ露払いよろしく!」

刀を鞘に収め、メイスとしてぶん回す。
鉄の塊をぶつけられた小鬼は無事ではない音を立て、空高く吹き飛ばされた。
散弾銃を手に取り、密集した奴らめがけぶっぱなす。
潰れ、または弾け飛ぶ肉体、
道は俺が開ける。
そして

「武蔵!」

開けた道を突っ切り、武蔵は大鬼の首目掛け刃を振るった。
大鬼も金棒を振るいまっすぐ突き進んでくる武蔵を叩き潰そうとするが、

「鈍い!」

あの程度、彼女からしてみればハエが止まりそうな程ののろい動き。
奴が金棒を地面へ振り下ろすよりもずっと前に、武蔵は既に奴の後ろにおり、その刀を鞘に収めていた。

「…。」

武蔵が完全に鞘に収めると、それと同時に膝をつき、ズンと大きな音を立てて倒れる首のなくなった巨人。
斬り飛ばされた首が小鬼の群れにドサリと落ちると、自分達ではかなわないと低い知性ながら理解したのだろう。
小鬼達は蜘蛛の子を散らすようにバラバラに逃げていった。

「この…こいつ…!こいつ…ッ!!」
「やめろ。」

怯えていた守護隊が逃げる小鬼めがけ銃を撃つが、奴らは完全に戦意喪失して
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