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おぢばにおかえり
第六十六話 好き嫌いその二十

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「お話すると長いんで」
「物凄い悪口言いそうね」
「あまり酷いんで今強引に一人暮らしさせてます」
「そうなの」
「お祖父ちゃんと離婚させて」
 複雑な家庭の環境があるみたいです。
「両方の親戚殆ど全員から縁切って」
「まあそこは聞かないからね」
「そうですか」
「ええ、とにかくその大叔母さんがなのね」
「はい、僕にとって凄く大事な人で」
 それでというのです。
「僕がおみちに入ったこともです」
「その人がはじまりなのね」
「そうなんですよ、初代なんです」
「その人からはじまったのね」
「うちの信仰は。それで父が二代目で」
「大叔母さんから阿波野君のお父さんになの」
「実は大叔母さん子供いなくて」
 阿波野君はこのこともお話してくれました。
「信仰は父が受け継いで」
「それで阿波野君ね」
「そういうことです」
「それで阿波野君にとってその人はお祖母さんみたいな人なのね」
「そうなんです、よかったら会ってくれますか?」
「その人に?」
「はい、機会があったら」
 私にこう言ってきました。
「そうしてくれますか」
「奥華の人なのよね」
「そうですよ」
「じゃあ何処かで擦れ違ったかも知れないし」 
 私が思うにです。
「機会があったらね」
「宜しくお願いしますね」
「そうさせてもらうわ」
「その時が来ることを楽しみにしています」
「何で楽しみなの?」
 それはわかりませんでした。
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