第二十二話 ゴールデンウィークに入りその五
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「オランダもですが」
「どちらも食べものは、ですね」
「口に合いません」
「そうなんですね」
「嫌いなものはなくとも」
「お口に合わないものはですね」
「あります」
こう咲に話した。
「どうしても」
「それはありますか」
「左様です、それで今日はコンビニのですか」
「お弁当を買っていますので」
それでというのだ。
「ですから」
「お昼にですね」
「食べます」
「それではその様に」
「はい、お昼はそうします」
こう言って咲は実際に昼まで働きそして昼食の時にそのコンビニ弁当を食べて昼休みを取ってからまた仕事に戻り夕方まで働いた。
そうして仕事が終わると家に帰ろうとしたが。
速水はここで咲に言った。
「お家に帰られますね」
「寄り道しないで」
それでとだ、咲は速水に答えた。
「まっすぐに帰ります」
「そうされて下さい、どうもです」
速水はここでカードを出した、それは女帝の逆だった。
「寄り道せずに帰られた方がです」
「そのカードならですか」
「帰られた方がいいです」
「多くのタロットカードで逆はです」
これはというのだ。
「よくないですが」
「そのカードもですね」
「逆ですと大抵はです」
「悪いことなので」
「お家にすぐに帰られて」
そしてというのだ。
「楽しまれて下さい」
「そうすることが一番ですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「本屋さんやコンビニにも立ち寄らず」
「そうしてですね」
「帰られて下さい」
「そうします」
咲は速水に応えてそのうえでだった。
彼の言葉通り寄り道をせずそのまま家に帰った、そうして家に帰ると母に対してこんなことを言われた。
「本当に早かったわね」
「寄り道しなかったからね」
「それでなのね」
「うん、最初からそのつもりはなかったけれど」
母にこう返した。
「けれど所長さんに言われて」
「速水さんね」
「そうして帰ったの」
寄り道をしないでというのだ。
「今までね」
「そうだったのね」
「若し寄り道したら」
女帝の逆、速水が出したそれのことも思い出しつつ言った。
「どうなっていたかしら」
「それはわからないわね」
「まあよくないことにはね」
「なっていたのね」
「あの人が占ってくれたのよね」
「そうだったの」
ここでもカードのことを思い出して母に話した。
「実はね」
「それならね」
母はそう聞いて娘に言った。
「その通りにしてよかったわ」
「そうなのね」
「そう、何かあってからじゃね」
「やっぱり遅いわね」
「占いって悪いことを避ける為にあるものでしょ」
こう娘に言った。
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