第二十二話 ゴールデンウィークに入りその二
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「楽しみに待っていてね」
「それじゃあアルバイト終わったらすぐに帰るから」
「寄り道しないで」
「そうするわ」
「じゃあ待ってるわ、けれど咲も」
ここで母は赤のスラックスに白いブラウスと緑の上着の咲を見て言った、服のデザインはどれも洒落ている。
「お洒落になったわね」
「そう?」
「配色もね」
それもというのだ。
「いいじゃない」
「そうなの」
「イタリアの国旗ね」
「あっ、そうね」
言われてみればとだ、咲も頷いた。
「赤と白と緑だから」
「そうよね、その配色もね」
「いいの」
「お洒落ね」
「そうなのね」
「色合いもね」
「その色も」
これもというのだ。
「前はもっと野暮ったかったわよ」
「そんな風だったの」
「高校入ってからよくなったわね」
「それはね」
どうしてかとだ、咲は笑顔で話した。
「お姉ちゃんに教えてもらって」
「それでなの」
「やっぱりそうよ」
母に笑顔で話した。
「お姉ちゃんのアドバイス受けてよ」
「咲ちゃんそう考えたらやっぱり」
「いいわよね」
「そうね、やっぱり人は外見だけじゃ判断したら駄目ね」
母は娘の言葉に頷いた、そうしてだった。
咲はその母に見送ってもらって家を出て渋谷の速水の占いの店まで行った、そうしてそこに入るとであった。
タイムカードを押してから受け付けに入った、すると速水は咲にこう言った。
「では今日は夕方まで」
「はい、受付にですね」
「いて下さい、時々です」
速水は咲に穏やかに話した。
「お仕事があれば」
「お話してくれますか」
「そうさせてもらいますので」
それでというのだ。
「お願いします」
「それでは」
「あとです」
速水は咲にさらに言った。
「ここに黒い服の女性が来られても」
「黒い服のですか」
「はい」
こう言うのだった。
「スーツでスラックスの」
「そうした人ですか」
「かなり特徴的な人なので」
だからだというのだ。
「おわかりになられます」
「ここに来られたら」
「はい、その時その人に声をかけられても」
それでもというのだ。
「乗られないで下さい」
「声をですか」
「その人は中々面白い人で」
「面白いんですか」
「はい、女性もお好きで」
「ってことは」
そう聞いてだ、咲は瞬時に察して頷いた。
「その人同性愛者ですか」
「そうでもあります」
「男性もですか」
「どちらもという方で」
それでというのだ。
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