第二十二話 ゴールデンウィークに入りその一
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第二十二話 ゴールデンウィークに入り
咲は入学してから部活にもアルバイトにも勉強にも頑張っていた、そうしているうちにゴールデンウィークに入った。
初日は朝からアルバイトで母に言った。
「今から行くから」
「十時からだったわね、アルバイト」
「ええ、その時間までにはね」
朝食も身支度も整えて家に出る時に言ったのだった。
「行く様にするわ」
「だから今行くのね」
「余裕持って行きたいから」
それでというのだ。
「今からね」
「わかったわ、それで何時帰るの?」
「七時までには帰るから」
こう母に答えた。
「晩ご飯はこっちで食べるわ」
「別に九時でもいいでしょ」
母はこう返した。
「いつもそれより遅くなることもあるし」
「それでもよ」
「早くっていうのね」
「何かと物騒だから」
それ故にというのだ。
「それでよ」
「暗くならないうちに帰って来るのね」
「護身用に色々と持ってるけれど」
それでもというのだ。
「やっぱり暗くならないうちにが一番でしょ」
「だからなのね」
「私一人だしね」
帰り道はというのだ。
「だからね」
「早いうちになのね」
「帰って」
そうしてというのだ。
「後はご飯食べてゲームして」
「過ごすの」
「そうするわ」
母に対して言った。
「今日は」
「真面目というか慎重ね」
「さもないとね」
それこそというのだ。
「何かあったら困るから」
「起こってからじゃ遅いっていうのね」
「実際そうでしょ」
「ええ、やっぱり何もないことがね」
まさにというのだ。
「一番いいわ」
「そうでしょ、だからね」
「今日は早く帰るのね」
「そうするわ」
「それじゃあ晩ご飯作っておくわね」
「今日の晩ご飯何なの?」
咲は晩ご飯の話になったところで母にメニューを尋ねた。
「それで」
「今日は豚キムチ丼よ」
「それなの」
「豚キムチ炒めて」
そうしてというのだ。
「その真ん中に卵乗せてね」
「掻き混ぜて食べるのね」
「あとお味噌汁も作るから」
こちらもというだ。
「椎茸と玉葱のね」
「お味噌汁もなのね」
「そちらもね」
「じゃあ楽しみにしてるわ」
「咲どっちも好きでしょ」
「豚キムチ丼もお味噌汁もね」
咲は母に笑顔で答えた。
「好きよ」
「そう、だからね」
それでというのだ。
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