第八幕その十二
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「いい欲を手に入れようと思ったら」
「その途中でだね」
「手に入れるね」
「そうなっていくものだね」
「そうなることがとても多いから」
それでというのです。
「これといって目指すものでもないかもね」
「そう言えばモーツァルトもベートーベンも」
トミーはこの偉大な音楽科の人達を思い出しました。
「名曲を作曲していって」
「そうしてだったね」
「色々得ましたね」
「うん、まあモーツァルトはビリヤードが好きでね」
「お金を貰っても使って」
「それでなかったけれど」
それでもというのです。
「収入はあったよ、ベートーベンもお金は暮らせるだけはね」
「十分にですね」
「あったしね」
そうだったというのです。
「色々あったけれどね」
「それでもですね」
「地位もあったしね」
「音楽の責任者の」
「そうだったからね」
「後で、ですね」
「そうしたものはついてくるよ。ワーグナーだってね」
この人もというのです。
「前半生は不遇だったと言われているけれど」
「リガの歌劇場の監督になったり」
「それなりの地位にあって収入もね」
これもというのです。
「あったよ」
「そうでしたね」
「彼自身の人格や行動で色々逃げていたから」
「不遇でしたね」
「政治的主張は今は問題ないにしても」
言論の自由が保障されているからです。
「けれどね」
「それでもですね」
「浪費家で借金が多かったから」
「そのことですね」
「問題だったんだ、けれど努力して」
そしてというのです。
「ひたすら目的に向かって頑張れば」
「色々なものが後でついてきますね」
「そうなるから」
「嫉妬することもですね」
「ないよ」
「そうですね」
「だから本気で努力していると」
その人はというのです。
「嫉妬したりとかはね」
「しないですね」
「それでも嫉妬するなら」
そうした人はといいますと。
「かえって凄いよ」
「そうですか」
「そう、本当にね」
それはというのです、そしてでした。
先生は皆とさらにお話していきました、そこにあるものは確かな人生にある教訓でした。
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