第二章
[8]前話 [2]次話
「それに様子がおかしいぞ」
「何かブツブツ言ってるな」
「視線も虚ろだし」
「ヤクやってるのか?」
「やばいぞ」
「あの、先生」
生徒達はここでだった。
平穏に声をかけた、不審者には教師が対応してくれるものという考えがあってそれでそうしたのである。
「どうします?」
「変な奴来てますよ」
「どうしますか?ってあれっ」
見るとだ、その平穏は。
姿を消していた、それでグラウンドの生徒達は慌てふためいた。
「さっきまでここにいたのに」
「それで怒鳴ってたのにな」
「何処に行ったんだ?」
「まさか自分だけ逃げたのか?」
「いや、普段あれだけ威張ってそれはないだろ」
「何でも剣道六段だろ」
「それでいつも竹刀持ってるじゃないか」
武器もというのだ、尚桐生はいつも素手だ。
「あの竹刀は飾りか?」
「おい、あいつこっちに来るぞ」
「逃げた方がいいぞ」
生徒達は平穏が姿を消したことに驚きつつもだった。
このままでは危ないと思い校舎の中に入った、そして自分達のクラスに入った。
全校放送がかかり生徒達はそれぞれのクラスに避難した、しかし。
平穏が担任のクラスはというと。担任の彼がいないので副担任の先生が来て必死の顔で生徒達に言っていた。
「平穏先生はいないけれどな」
「はい、ここはですね」
「何とかですね」
「不審者がクラスに入らない様にしますね」
「教室の扉には鍵をかけて」
そうしてというのだ。
「机や椅子でバリケードを作るんだ」
「わかりました」
「そうしましょう」
「そして不審者が入られない様にしますね」
「あと皆何でもいいから手に持つんだ」
副担任はこうも指示を出した。
「いいな、そして」
「はい、変な奴が来たら」
「若し扉とバリケードを破っても」
「それでもですね」
「身を守るんだ」
副担任自身もだった。
掃除用具を入れたロッカーから箒を出して一つの場所に固まっている生徒達の前に立った、まずは自分が盾になるつもりだった。
そうして身構えていると。
桐生が自分が担任のクラスに来た不審者を柔道の技で倒して駆けつけてきた警察に引き渡した、こうしてだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ