160 正しき仏法の説き手、玄奘
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撃で稲目と馬子を圧倒する。以前、彼らに杖を奪われた事の恨みもあって3、4発も投げた。
「おおおーーー!!」
稲目も、馬子は爆撃に苦しむ。そして二人は光となって消滅した。
「やっつけた・・・」
「お疲れ様です。よくやりましたね、『杖の所有者』」
「あ、はい、あ、みんなが・・・」
かよ子は稲目と馬子の攻撃で動けない皆を見る。
「大丈夫です。私が解きましょう」
僧侶は杖を振り回した。その時、次郎長達は起き上がる事ができ、大野達は普通に動けるようになり、友蔵は何があったとばかりに起き上がった。
「は、儂はどうなったんじゃ!?まる子、まる子お〜!大丈夫か!?」
「大丈夫だよ、おじいちゃん、あの人が助けてくれたんだよ」
「おお!?」
友蔵は僧侶を見た。
「ありがとうございます!貴方はもしや、仏様ですか?これはどうも、ありがたい、ありがたい。これで儂も孫も命が助かりました。どうもありがとうございます、ありがとうございます・・・」
僧侶は大袈裟に感謝する友蔵に苦笑した。
「いえ、私は仏ではなく、玄奘と言う者です」
「そうか、げんじょうという仏様であったか!」
友蔵は勘違いし続けた。
「それより、あの二人はどうなったんじゃ?」
「それなら、この杖の所有者が成敗されました」
「いや、成敗だなんて・・・。でも玄奘さんがいなきゃ勝てなかったよ・・・」
かよ子は謙虚に答えた。
「そうだ、玄奘さん、正しい仏法を学んだってどういう事?」
玄奘は説明を始めた。
「そうですね、私は唐の国にいたのですが、私は自分が学ぶ仏法が本当に正しいのかと思い、国の法を犯して出国したのです」
「トー?どこじゃ?」
友蔵が聞いた。
「今の中国ですよ」
椎名が答える。
「私は仏の生まれた地と言われる天竺へ向かい、本当の仏法を学ぼうとしたのです。しかし、その道は険しく、幾度も死にかける目に遭いました」
「テンジク?なんじゃ、そんな国どこにあるんじゃ?」
「おじいさん、天竺ってのは今のインドの事ですよ」
椎名は再び解説した。
「インド?なら、飛行機や電車を使えば楽に行けるではないか!」
「あのねえ、玄奘が生きてた頃は1400年も前の事ですよ。日本は飛鳥時代です。そんな時代に電車も飛行機もある訳ないでしょうが!おじいさん、少し黙っててくれますか?」
椎名は友蔵に呆れるように怒った。玄奘は話を続ける。
「そして長い歳月を経てようやく天竺に到着する事ができ、私はその地の法典を読み、これが本当の仏法だと確信する事ができました。それらを祖国に持ち帰り、広めようと思い、唐に戻る決心をつけたのです」
「でも法を犯して国を出たから何か処罰とかはなかったの?」
「ええ、私が帰国した頃には唐の情勢は変わっていましたので、寧
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