第三百三十一話 大晦日も二人でその十三
[8]前話 [2]次話
「そうしてきました」
「でしたね」
「よくテレビを見ると頭が、と言われますね」
「悪くなる、ですね」
「それはです」
何故そう言われるかというと。
「鵜呑みにしやすいからです」
「テレビからの情報をですね」
「本等に比べて」
「目や耳から声が動画がダイレクトに頭に入るので」
「非常に強烈にです」
「頭に入って」
僕はさらに言った。
「それで。ですね」
「そうです、ましてやそれが嘘や偏向なら」
「尚更ですね」
「非常に強いです」
「だからナチスやソ連も使いましたね」
言わずと知れた全体主義国家達がだ。
「宣伝に」
「それで大きな効果を発揮しました」
「そうでしたね」
ゲッペルスの宣伝等を見てもだ、この人物は宣伝というものの重要性を誰よりも理解していたと聞いている。
「それで今の日本もですね」
「迂闊に観ますと」
「鵜呑みにしてですね」
「おかしくなります」
「それが怖いですね」
「はい、ですからご注意を」
テレビにはというのだ。
「そしてご覧になられないなら」
「それでいいですか」
「そうされて下さい」
こう僕に話してくれた。
「その様に」
「わかりました」
僕は畑中さんの言葉に頷いた。
「そうさせてもらいます」
「これからも」
「面白くないうえにそんなことがあるなら」
もうそれこそだ。
「最悪ですからね」
「全く以てそうですね」
「はい、悪質ですね」
僕は心から思った。
「嘘吐いて偏向で視聴者を騙そうとか」
「マスコミの中立性なぞです」
「そんなの誰も信じていませんね」
今の日本ではだ。
「だからですね」
「はい、これからもご注意を」
「そうしていきます」
「はい、その様に」
僕にこうお話してくれた、そうしたお話をしながらだ。
僕は香織さんとのデートまでの時間を過ごした、畑中さんと一緒に過ごす時間は大晦日も有意義なものだった。
第三百三十一話 完
2021・5・8
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ