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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十一話 大晦日も二人でその十一

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「面白くないですから」
「そうした番組ばかりですね」
「バラエティとか偏向した報道番組とかばかりで」
 それにだ。
「出てる人達も同じで」
「特定の事務所の人達が多いですね」
「もうそんな風なので」
 それでだ。
「積極的に観たいとも」
「思われないですか」
「ですからテレビじゃなくて」
 これは年末年始だけじゃない、本当に。
「ユーチューブとか観て」
「楽しまれていますね」
「そうしています」
 僕にしてもだ。
「本当にテレビ面白くないですから」
「左様ですね、確かにもうです」
「テレビはですね」
「非常にです」 
 僕に残念そうにお話してくれた。
「面白くなくなりました」
「そうですよね」
「BSは兎も角」
「普通の地上波は」
 それはというと。
「本当にです」
「昔と比べるとですか」
「昭和三十年代は」
 それはというのだ。
「白黒でしたが」
「もっとですか」
「遥かにです」
「面白かったですか」
「今はただ放送枠を埋める」
 そうしたというのだ。
「それだけの様な番組ばかりで」
「面白い番組を作る気がですか」
「ない様な」
 実際にという返事だった。
「番組ばかりで」
「それで、ですか」
「はい」
 僕に残念そうに答えた。
「まことに」
「昔の方がよかったですか」
「遥かに。もう私もです」
「テレビはですか」
「観なくなりました」
「そうなのですね」
「昔はテレビを点ける時にわくわくしたものです」
 そうだったというのだ、畑中さんの今のお顔は昔を懐かしむものだった。もう遠くなった昔を見ている目だった。
「白黒で真空管で」
「スイッチ押しても中々画面が出なかったんですよね」
「真空管が温まるまで時間がかかったので」
 それでというのだ。
「ですから」
「そうでしたね」
「ですがそれでもです」
 そうした今から考えると不便だったがというのだ。
「面白くてです」
「わくわくされましたか」
「そうでした」
「そうだったんですね」
「ですが今では」
「本当に面白くないですね」
 僕が見てもだ。
「ですからもうです」
「畑中さんも観られないですか」
「観ても面白くなくためにならず」
 そしてというのだ。
「頭が悪くなる様な」
「そんな番組ばかりですね」
「露骨に不安を煽りもしますし」
「それ酷いですよね」
「何故我が国の不況が長引いたか」
 バブル崩壊後のそれがというのだ。
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