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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十一話 大晦日も二人でその八

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「今日もお正月もね」
「それは何よりね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「冷えて風もね」
「強いのね」
「普段以上にそうみたいだよ」
 六甲おろしのことを抜いてもだ。
「だからかなり冷えるから」
「今こうしてあったまって」
「それで行こうね」
「それじゃあね」
「お蕎麦も美味しいし」
 たぬきそばもだ、揚げが実によく合っている。
「それじゃあね」
「お蕎麦しっかり食べて」
「そしてね」
 そのうえでだ。
「あったまって厚着もして」
「行きましょう」
「そうしようね、さて四杯目は」 
 あらためてこちらの話をした。
「山菜そばをね」
「いただくのね」
「そうするよ、皆も美味しく食べてるし」
 見れば日本人の娘よりも他の国の娘の方が沢山食べている、他のお料理でもそうだけれどどうも日本人は少食というのは八条荘でも言えることみたいだ。
「それじゃあね」
「義和四杯目も食べるのね」
「うん、そうするよ」
 たぬきそばを食べながら応えた、そして。
 僕は四杯目は山菜そばにしてそれも食べた、四杯食べるともう満腹だった。心地よい満腹感だった。
 その満腹感で香織さんに言った。
「じゃあ除夜の鐘がはじまる頃にね」
「お寺にね」
「行こうね、それに間に合う様に外に出て」
 そうしてだ。
「行こうね」
「それじゃあね」
「八条寺はちゃんと除夜の鐘もしてくれるからいいよ」
「お寺だと普通でしょ」
「最近除夜の鐘の音が五月蠅いとか言う人いるから」
 信じられないことにだ。
「それでお寺も除夜の鐘止めるとかね」
「それ何人も言ってないでしょ」
「一人みたいだよ」
「その一人の我儘でなのね」
「除夜の鐘がなくなるとかね」 
 折角の大晦日だけの日本の風物詩なのにだ。
「起こってるんだ」
「除夜の鐘が嫌とか」
「百八の煩悩を祓ってくれるのに」
 それでもだ。
「そうしたを言ってね」
「それでなのね」
「しないとかなってるから」
「世の中変な人もいるわね」
「今の日本手を挙げた人が勝つところあるから」
 それが一人でもどれだけおかしな手中を喚いていてもだ。
「だからね」
「そうした人の主張もなのね」
「通るんだよ」
「それで他の人が迷惑するのね」
「もう何でもかんでも言えばね」
 クレームをつけるとだ。
「通るよ、スーパーのゴミ箱が汚いからどけろと言えば」
「それも一人よね」
「一人が言えばね」
「他の人が使うものでも」
「それで通るから」
 皆が使うゴミ箱が撤去されるのだ。
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