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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百三十一話 大晦日も二人でその一

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               第三百三十一話  大晦日も二人で
 僕は皆と一緒に年越し蕎麦を食べることになった、鴨なんばにしてそのうえで食べることにした。すると。
 香織さんは僕の隣の席に来てこう言ってきた。
「ねえ、このお蕎麦ってね」
「どうしたのかな」
「おつゆがそんなに黒くないわね」
 こう言ってきた。
「学校や八条荘のこれまでのお蕎麦と同じで」
「やっぱり関西だからね」
 香織さんは山菜そばだ、そのお蕎麦も観ながら答えた。
「だからね」
「それでなのね」
「お蕎麦はね」
「おつゆがなのね」
「そんなに黒くないんだ」
「そして辛くないのね」
「北海道でもそんなに」
「そうだけれどね」
「やっぱり関西のはなんだ」
「特徴あるわ」 
 そのおつゆにというのだ。
「見たらわかる位にね」
「そうなんだね」
「ええ、本当に東京で食べたら」
「おつゆが真っ黒で」
「おうどんもね」
 こちらもというのだ。
「それで味もね」
「辛いよね」
「そうよね」
「そう、だからね」
 それでだ、僕としては。
「馴染まないよ」
「関西の人はこう言うわね」
「だってね」
 実際にだ、僕はお蕎麦のお箸を取って香織さんに渡して自分のお箸も取りながら話した。お蕎麦のおつゆの香りがいい。
「実際に違うから」
「同じお蕎麦でも」
「おつゆの色も味も」
「そう、だからね」
「言うんだ」
「それで昔は何でも」
 香織さんは僕にさらに言った。
「東京、江戸はあちこちにお蕎麦があって」
「凄かったらしいね」
「もう屋台でもね」
 時代劇でもよく出て来る。
「あちこちにね」
「あってだね」
「皆食べていたらしいから」
「お蕎麦が多いね」
「そうなのよ」
 こちらはというのだ。
「神戸や大阪よりもね」
「やっぱりあっちはお蕎麦だね」
「こっちはおうどんよね」
「何といってもね」
 関西というか西日本はだ。
「そうだよ」
「柔らかいおうどんね」
「大阪は本来はね」
 福岡もそうだ。
「おうどんはね」
「柔らかいわね」
「ご飯のおかずでもあるから」
 うどん定食というものもある位でだ。
「本来はね」
「柔らかいのよね」
「最近讃岐うどんが多くてね」
 おうどんの本場の中の本場だ、何しろ仇名がうどん県という位だ。
「それでコシがね」
「あるおうどんが増えたのね」
「うん、けれどね」
 あくまで本来はだ。
「そうしたね」
「柔らかいものね」
「そうなんだ」
 それが本来の大阪のおうどんだった。
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