暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第98話:英雄とは
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LiNKERは忘れた頃にやってくる。こんな事もあろうと、そこら中に設置してあるんですよ」

 したり顔で眼鏡を指で押し上げるウェル博士。彼の登場に、クリスは己の不調も無視して声を荒げる。

「テメェッ! ソロモンの杖を渡しやがれ!」
「はっ! 誰が渡しますか。これは僕が英雄になる為に必要な力! お前みたいな奴に渡す訳ないだろ!」

 言いながらウェル博士はノイズを召喚し、クリスと透に嗾けさせた。迫るノイズを、透がクリスに近付けまいと迎え撃つ。両手に持ったカリヴァイオリンでノイズを次々と切り伏せていった。

「テメェが英雄? はっ! 馬鹿も休み休み言うんだな! お前みたいに誰かの後ろでコソコソしてるような奴が、英雄なんて器なもんかよ!」
「何ぃ?」
「仮に英雄って言われるような奴が居るとしたらなぁ、そりゃ透みたいな奴の事だ! 透みたいに、誰かの為に見返りを求めず戦えるような奴が英雄の器だ! 最初から英雄になろうとする奴が、そんな打算的な奴が英雄になんてなれるもんか!!」
「黙れ黙れ黙れ、黙れぇぇぇぇッ!? 誰が何と言おうが、僕は英雄になるんだぁぁぁッ!!」

 クリスの発言にウェル博士は発狂したようにノイズを召喚し、その数を持ってクリスを透共々葬ろうとする。

 その時、出し抜けにウェル博士の背後にメデューサがメイジに変身した状態で姿を現した。

「全く持ってその通りだな……」
「て、テメェ、メデューサ!?」
「おや遅かったですね? 今更ご到着ですか?」

 ここに来てメデューサの登場に、クリスは思わず目を見開いた。ただでさえAnti LiNKERの影響で満足に戦えないと言うのに、この上更にメデューサまで相手にしなければならないのだ。

 これでは透の足を引っ張るだけで終わってしまう。クリスはこの状況をどう脱しようかと頭を働かせた。

 一方透は、現れたメデューサの様子に違和感を覚えた。確かに彼女は裏切り者である透に敵意を向けてはいるのだが、その敵意……と言うか害意がウェル博士にも向いているように見えたのだ。

 それもその筈で、ジェネシスは最早ウェル博士達の味方ではない。彼女らはフロンティアを奪い取り、自分達で使うつもりなのだ。その上で邪魔になるのは誰かと言ったら、それはフロンティアにアクセスできるウェル博士に他ならない。

「さ、お膳立てはしてあげました。さっさとあの2人を始末しちゃってください」

 ウェル博士はメデューサに背を向けている。彼女の害意に気付いていないのだ。

 その彼に向けて、メデューサはスクラッチネイルを振り上げる。

「あぁ、始末するともさ…………お前もな!」
「えっ!?」
「ッ!!」
〈コネクト、ナーウ〉

 無防備なウェル博士に向けて、メデューサのス
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