158 蘇我氏の一族、再び
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、そうか、機械の能力ね!」
そして姿を消した状態のままアブー・アブドゥッラーはさりの護符を取ろうとする。しかし、護符の所有者が急に姿を消した。そして、護符の所有者の姿が急に何人にも増えた。
「分身の術を使った!?」
さきこは護符の能力に驚いた。
「さあ、アブー何とか!?姿を見せなさい!でないとこの護符は渡さないわよ!」
(どっちにしても渡す気ないけどね・・・!!)
「そんな手に引っ掛かるか・・・」
アブー・アブドゥッラーは一向に姿を消したままである。
(どこまで陰険な奴・・・!!)
とある屋敷。二人の男は攻める用意を考えていた。
「馬子。今、杖の所有者がこの近辺に来ているという情報が入った。今度こそ攻めに行くぞ」
「はい、父上。あの時は助けが沢山来た上に窮地に陥りましたが、今は赤軍から貰ったこの道具があればなお無敵・・・。それに倒された蝦夷と入鹿の敵を取る絶好の機会と見ております」
「今度は我も前線に立つ。怯まず進むぞ!」
「はい!」
この二人は嘗て清水の地を訪れた蘇我氏の一族の者であった。杖の奪取に一時的に成功し、更には護符の所有者の居場所の情報を知る事に成功した者達である。とはいえ、杖はすぐにとある高校生男子に取り返され、一族のうち二人をその清水での戦いにおいて失ってしまったのだが。
本部の一室。かよ子の母はまた娘がいる藤木救出班に敵が近づいているのが解った。
「あら・・・」
「まきちゃん、どうしたん?」
「かよ子の所にまた敵が来てるわ・・・!!」
「どれどれ・・・?この二人は・・・!!」
イマヌエルは脳裏に思い浮かべた。
「これは蘇我氏か!」
「蘇我氏・・・!?」
「ああ、清水に忍び込んで善人面して山田かよ子君に護符の場所を喋らせて杖を奪ったという奴等だ。おそらくその時に倒された仲間の敵討ちを兼ねて杖を狙ってきているのかもしれない」
「解ったわ、今すぐ連絡するわ!」
まき子は通信機を使用した。
かよ子達藤木救出班は通信機が鳴っているのに気づいた。
「こちら藤木救出班だ」
『その声は大野君ね?かよ子の母です』
「お母さん!?どうしたの!?」
かよ子は母が連絡してきた事で驚いた。
『かよ子、「蘇我氏」って覚えてるかしら?』
「ソガシ・・・?」
かよ子はふと思い出した。蘇我氏とは清水市にも訪れた事がある。その内の入鹿という人間に騙されて護符の場所を教えてしまい、杖を奪われた失態を思い出す。あの時はすみ子達やまる子の援護もあり、入鹿と蝦夷を滅ぼす事に成功したのだが、あと一人、馬子は取り逃がしてしまった。その上、三河口から杖を簡単に盗られた事や護符の所有者の居場所をばらしてしまった事を激しく叱責された。嫌な思い出が脳裏に蘇る。
「お
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