暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
荒魂
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ころから、ハルトの姿が変わっていった。
 どこにでもいる、フリーターの青年、松菜ハルトから。
 黒いローブの上に、赤いルビーの宝石を散りばめている姿へ。顔はルビーの仮面となり、人間の姿とは言えない。
 この姿こそ、指輪の魔法使い、ウィザード。
 ウィザードは、さらに慣れた動きで別の指輪を右手に使う。再びベルトを動かすと、また別の魔法詠唱が始まった。

『ルパッチマジックタッチ ゴー ルパッチマジックタッチ ゴー』

 その音声に合わせ、ウィザードは指輪を再びベルトに重ねた。

『コネクト プリーズ』

 すると、ウィザードの手元に小さな魔法陣が現れる。手を突っ込むと、中からベルトと同じく銀の武器が現れる。

「可奈美ちゃん! 避けて!」

 銃口の上に刃が収納されている銃。ベルトと同じく銀で作られているそれを、ウィザードはクルクルと回転させながら発砲した。

「!」

 ウィザードの号令に、可奈美は一度大きくジャンプ。
 可奈美が斜線上からいなくなったと同時に、ウィザードの銀の銃弾が荒魂へ被弾。その全身を大きく震わした。

「今だ!」

 動きが阻まれ、大きく後退するムカデ型の化け物。その隙を逃さず、ウィザードは銃___ウィザーソードガンを操作し、剣に変形させる。
 同時に、上空から落ちてくる可奈美もまた、その白く染まった体の光を赤く染めていく。

『キャモナスラッシュシェイクハンド キャモナスラッシュシェイクハンド』

 ウィザーソードガンに付けられている、手の形のオブジェ。親指部分を開くと、四本の指も同じく開いた。すると、ウィザーソードガンよりその場の雰囲気に合わない詠唱が流れ出す。
 さらに、そこへ左手のルビーの指輪を当てる。ちょうど、握手の形になるように。
 すると、その銀の刃へ、紅蓮の炎が宿る。

『フレイム スラッシュストライク』

 魔法の炎剣を振り回し、ウィザードは身構えた。
 そして。

『ヒーヒーヒーヒー』
「迅位斬!」

 二つの深紅の斬撃が、荒魂の巨体を切り裂く。
 一度静止した荒魂。やがて、斬られたことを思い出したかのように、切断面から崩れていった。
 ズシンと重い音を立てる荒魂。その姿は、やがて徐々に黒澄み、液体のように溶けていった。
「えっと……」

 ウィザードは変身を解除しながら、赤黒いその破片を見下ろす。

「これどうする? このまま放置したら不味そうな奴だけど……」
「ちょっと待ってて。所管の管理局に……ああ、私が連絡したらまずいかなあ?」

 可奈美はスマホを操作しながら項垂れた。

「どうしたの?」
「ほら、私今見滝原を離れられないから……ハルトさん、悪いけど刀剣類管理局(とうけんるいかんりきょく)に連絡し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ