荒魂
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可奈美に追いついたところが丁度、彼女の目的地だったようだ。
そこは、普通の商店街。既に人々は避難し、ほとんど人影はない。
「あれは……!?」
そんな道路でマシンウィンガーから降りたハルトは、可奈美の隣に並び、彼女が目指してきたものを見て愕然とする。
それは、巨大なムカデの怪物。
まるで龍のように長い胴体だが、その左右に無数の節足が連なっているから、ムカデで間違いないだろう。だが、その口は脊椎動物のように上下に分かれており、その体内から同じくマグマのような体液があふれ出ている。
「可奈美ちゃん!」
「下がっててハルトさん!」
可奈美はそう言いながら、手に持った棒のカバーを抜く。
すると、それが日本刀の鞘だったことを証明する。彼女の手には、日本刀、千鳥が姿を現した。
「あれは、荒魂! 私達刀使が戦ってる相手だよ!」
「ああ、そういえば旅しているときも何回か見かけたことあったっけ……?」
そう言っている内に、可奈美が千鳥を構える。同時に、彼女の体が白い光に覆われていった。
「ハルトさん! 行くよ!」
可奈美は、そういうが速いが、荒魂と言及したムカデ型の化け物へ向かっていった。
彼女の姿は即座に白い閃光となり、荒魂へ斬りかかっていく。
だが、いくら可奈美が速くとも、その巨体相手にはダメージが少ない。
それどころか、荒魂の方も、だんだん可奈美のスピードに対応していく。やがて、荒魂の節足が可奈美の動きを捉え、打ち合いに持ち込まれていった。
「ああ!」
ハルトも右手に指してある指輪をバックルに掲げた。
『ドライバーオン プリーズ』
すると、その独特な発光と音声により、バックルを中心に銀のベルトが現れた。その左右の端についているつまみを上下に動かすと、バックルの手を模した部分もまた、向きを変える。
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
すると、ベルトが起動。発光とともに独特なリズミカル音声が流れだし、それに構わずハルトは、腰のホルスターから指輪を取り出した。
赤い、ルビーの指輪。
備え付けられているカバーを下ろすことで、それはあたかも面のような形になる。
ハルトはそのまま、告げた。
「変身」
その言葉とともに、ルビーの指輪がベルトに重なる。バックルの手と重ねたかと思うと、ハルトはすぐにその手を左に伸ばす。
『フレイム プリーズ』
すると、伸びた先、その指先より、ルビーの指輪が赤い光を作り上げる。
光は炎を纏った魔法陣となり、ゆっくりとハルトの体を通過していく。
『ヒーヒー ヒーヒーヒー』
すると、通過したと
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